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公立病院で働く看護師のメリット・デメリットの体験談!転職・中途採用・新卒向け

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公立病院で働く看護師のメリット・デメリットの体験談!転職・中途採用・新卒向け
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現在、民間病院に勤務している看護師の中には、安定した公立病院に転職したいと考えている方も多いのではないでしょうか。また、看護師免許取得見込みの新卒看護師の中にも、数多くの病院の中から公立病院で働きたいと考えている方がいるでしょう。

公立病院とは、県立病院や市立病院など、自治体が運営する病院で、町を歩いていると必ず見かける病院の一つです。

私は、民間病院での勤務を経て、公立病院に中途採用の看護師として転職し、看護師として5年間勤務した経験があります。公立病院で働いて良かったと感じる点は、親や家族が安心してくれたことや、様々な病状の患者と関わることで、看護師として多くのことを学べたことです。

以下では、私の経験をもとに、公立病院で働く看護師のメリット・デメリット、そして転職・中途採用・新卒向けに公立病院の看護師になるための詳細について説明していきます。

執筆・監修看護師
原口 看護師
原口 看護師
  • エリア:埼玉県在住
  • 保有資格:看護師
  • 施設経験:公立病院、総合病院、個人病院、ショートステイ
  • 専門分野:整形外科、整形外科外来、内科、小児科、内視鏡室

看護師歴15年以上で、公立病院、総合病院、個人病院、ショートステイ等の勤務経験があり、整形外科、整形外科外来、内科、小児科、内視鏡室等が専門分野となります。また、2人の子供がいるシングルマザー看護師であり、少しでも転職する看護師の皆様へ役立つ情報を書いていけたら思っています。

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目次

公立病院で働く看護師について

公立病院で働く看護師について

まず、公立病院で看護師として働く場合に、知っておきたい知識を説明していきます。

公立病院とは?

公立病院とは、都道府県庁や市町村等の自治体が運営する医療機関であり、主に病院や診療所を指し、働く看護師の身分は地方公務員です。

具体的には、県立病院、市民病院、町立病院、国保健康保険病院、自治体運営の診療所などが公立病院に該当します。

看護師の方の中には、公立病院と聞くと国や自治体が運営しているイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、正確には自治体が運営している医療機関のみが公立病院です。

以下では、看護師が働く病院の種類と身分について確認しておきましょう。

公立病院と民間病院の違い:看護師が働く病院の種類と身分まとめ

公立病院と民間病院の違いは、病院や医療機関等を運営している主体に違いがあります。

公立病院は都道府県庁や市町村等の自治体が運営する医療機関であり、民間病院は医療法人・社会福祉法人や個人が運営する病院やクリニックを指します。

以下に、看護師が働く病院の種類と身分をまとめていますので、改めて確認しておきましょう。

民間病院
  • 詳細:政府や公的医療機関(公的病院)ではなく、個人や法人が運営する医療機関
  • 看護師の身分:一般職員
  • 解説:医療法人等が運営、又は個人が経営する病院やクリニックを指す
公立病院
  • 詳細:自治体が運営している医療機関(病院・診療所)
  • 看護師の身分:地方公務員
  • 解説:県立病院、市民病院、町立病院、国保健康保険病院等が該当
地方独立行政法人
  • 詳細:地域の公共サービスを独立して運営するために設立された地方自治体の外郭団体
  • 看護師の身分:みなし公務員(※1)
  • 解説:公立病院が地方独立行政法人化するケースが多く、市民病院などの名称が残っているケースがあるが、正確には働く看護師は公務員ではない
国が運営している病院
(国立病院)
  • 詳細:日本の厚生労働省等が直接運営している施設等の機関
  • 看護師の身分:国家公務員
  • 解説:2004年以降に多くが独立行政法人化しており、国が運営している病院は現在ほとんどない。
  • 補足:「宮内庁病院」で働く看護師などが国家公務員の看護師にあたる
国立病院機構(NHO)
  • 詳細:厚生労働省が運営していた国立病院、国立療養所を独立行政法人化した病院
  • 看護師の身分:みなし公務員(※1)
  • 補足:現在、国立病院と言うと、国立病院機構が該当する場合が多い
公的病院
(公的医療機関)
  • 詳細:戦後に医療機関を計画的に整備し、国民が必要とする医療を提供しつつ、医療の質を高める中心的な役割を担うことを目的とした病院であり、以下の「開設する医療機関」が対象となる
  • 開設する医療機関:都道府県、市町村、地方公共団体の組合、国民健康保険団体連合会及び国民健康保険組合、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会、厚生農業協同組合連合会、社会福祉法人北海道社会事業協会
  • 看護師の身分:様々
  • 補足:公的病院(公的医療機関)は、現在使われることはあまりない。
    参照:地方財団協会 公的医療機関等について

(※1)みなし公務員:公務員ではないが、職務の内容が公務に準ずる公益性および公共性を有しているものや、公務員の職務を代行するものとして、刑法の適用について公務員としての扱いを受ける者をいう。

公立病院が地方独立行政法人や民間病院に年々移行しているケースが多いため、公立病院への転職や就職を目指す看護師の方は注意が必要です。例えば、「県立病院」や「市民病院」といった名称が病院名に含まれていても、名称はそのまま地方独立行政法人や民間病院に移行している場合があります。

看護師が働く公立病院の仕事内容と役割

公立病院で働く看護師の仕事内容は、民間病院の看護師と大差ありません。

例えば、病棟勤務の看護師の場合は、民間病院と大きな差はなく、患者の観察、ケア、身の回りの世話、に加え医師の診察の補助、点滴や採血などの医療行為を行うことに同じです。

しかし、公立病院の特徴として、地域社会における重要な医療提供施設(地域の中核病院)としての多岐にわたる医療サービスの提供が挙げられます。

具体的には、過疎地での一般医療の提供、不採算・特殊部門(小児、救急、周産期、災害、精神など)に関わる医療の提供、民間医療機関では難しい高度・先進医療(がんセンター、循環器病センター等)の提供、研修の実施や医師派遣の拠点としての役割などがあります。

公立病院はこのように、それぞれの特性を活かしながら地域住民の健康と安全を守るために重要な役割を果たしています。

看護師の体験事例

私が看護師として勤務していた公立病院では、地域に根付いた医療を提供し、地域住民の健康や生活を守ることを学びました。
例えば、経営が難しい小児科や産科は民間病院では設置されないことが多いですが、公立病院は利益が出にくい診療科も開設しています。
また、多くの公立病院では付属の看護学校が併設されており、看護実習を積極的に受け入れて看護学生を指導しています。そのため、後輩看護師の教育にも力を入れることが大切だと感じました。
そのため、公立病院で働く看護師の仕事内容は、民間病院で働く看護師の仕事内容に加えて、健康相談室などの外来での相談業務や、看護学生の指導といった民間病院では経験でいないことも経験することができました。

公立病院で働く看護師のメリット

公立病院で働く看護師のメリット

看護師として公立病院で働く場合、民間病院にはないメリットがあります。

以下では、私が公立病院で働いた経験をもとに、民間病院と比較した場合の看護師にとっての一般的なメリットをお伝えします。ただし、勤務する地域の公立病院によってはメリットが異なる可能性があるため、注意してください。

安定した給与・ボーナス・昇給制度がある

公立病院は自治体が運営しており、そこで働く看護師は地方公務員です。

そのため、不景気に左右されることなく、一定額の給与や賞与(ボーナス)が保証されるため、公立病院で働く看護師の一番のメリットは、安定した給与やボーナス(賞与)があることです。

公立病院で働く看護師は、その地域の条例や地方公務員法で決められた一定額の給与や賞与を受け取ることができます。そのため、民間病院とは異なり、病院の経営状態によって給与や賞与が減額されることはありません。

また、毎年1回昇給があり、長く公立病院に看護師として勤務するほど給料は高くなります。

看護師の体験事例

私が働いた公立病院では、サービス残業もなく、残業手当もしっかりと支払われていました。また、新卒看護師の場合、首都圏や大きな病院で働く看護師より給与は少なくなりますが、年々給与は上がっていくため、長く務めるには魅力的な待遇だと感じます。
私は中途採用で公立病院に4月頃に転職しましたが、初の夏の賞与(ボーナス)も普通に1ヶ月分ほど貰えたので、「え、貰っていいの?」と驚いた記憶があります。さらに、看護師として役職につくと、別途手当が支給されるため、給与もアップが狙えます。長く勤めて出世したい看護師にはぴったりだと感じます。

看護師の教育制度が整っている

公立病院は民間病院と比較すると看護師の在籍数が多く、教育制度が整っている場合がほとんどです。

多くの公立病院ではクリニカルラダー制度を採用しており、看護師の経験年数に応じて目標が設定され、段階的に教育を受けることができます。

さらに、病院で勤務するのに必要な教育だけでなく、キャリアアップのための教育制度も充実しており、病院によっては認定看護師になるためのフォロー制度が充実しているところもあります。

そのため、看護師として十分な教育を受けたい場合や、キャリアアップを目指す場合には公立病院は最適でしょう。

看護師の体験事例

私が勤務していた公立病院では、クリニカルラダー制度を採用しており、経験年数に応じて目標が設定され、中途採用でも段階的に教育を受けることができました。さらに、教育を受ける立場の新人や転職者を個別にサポートしてくれるプリセプターなどのサポート役がいることにより、精神的な面でもフォローを受けながら教育を受けることができました。
また、キャリアアップ支援では、認定看護師になるためにかかる費用を一部負担してくれることや、その研修に行っている間も給与が保障されており、キャリアアップを目指す看護師には最適だったと感じます。

充実した福利厚生がある

公立病院で働く看護師の場合、民間病院と比較すると、福利厚生が充実しており、好待遇であることがメリットです。

具体的には、看護師の産休(産前産後休暇)や育児休暇制度が充実していること、夏季休暇や看護休暇、介護休暇、ボランティア休暇など有給の制度が整っていることが挙げられます。

また、長期休暇以外でも4週8休などの基本的な看護師の休みも確保されています。さらに、夜勤手当をはじめ、住宅手当や残業手当、退職金制度なども充実しています。

看護師の体験事例

私が看護師として公立病院に勤務していた頃は、有給休暇も十分に取得できましたが、さらに夏季休暇3日、年末年始休暇5日など、週休の他に休みを取ることができました。有給休暇や公休もしっかりしていることが多いため、ライフワークバランスを重視する人に向いていると感じます。
また、産前産後休暇もしっかり取得することができます。私が公立病院で勤務している時に一度出産しましたが、休んでいる間、給料はほぼないものだと思っていました。しかし、産前産後休暇の間は基本給くらいの給料が支給されていました。
公立病院は、働く看護師の福利厚生がしっかりしていたため、産休、育児休暇もお金の心配をあまりすることがなく、安心して子育てをすることができたのが一番良かったことだと感じます。

退職金制度があり、一定の金額を受け取れる

公立病院で働く看護師は地方公務員のため、一定期間勤務することで退職金制度が適用され、退職する場合には退職手当を受け取ることが可能です。

また、基準となる退職金率が決まっており、勤続年数や役職、業績に応じて調整されます。(※地方公務員の退職金制度は各自治体によって運用されており、具体的な支給額や条件は自治体ごとに異なります。)

そのため、公立病院で働く看護師は退職後の生活を支える一定の金額を受け取れることがメリットであり、退職金制度がない病院と比較すると生涯年収が大きく異なるでしょう。

看護師の体験事例

私は看護師として公立病院を5年目の時点で退職しましたが、それでも退職手当を受け取ることができ、当時は約80万円を受け取りました。

様々な診療科を経験できる

公立病院は地域の中核を担う病院であり、民間病院と比較すると、複数の診療科や病棟を備えている場合が多いです。

そのため、公立病院で働く看護師は、幅広い年齢の患者を診ることができ、さまざまな診療科を経験することが可能です。

そして、定期的に異動もあり、さまざまな診療科を経験することで看護師としてキャリアを積むことができます。

看護師の体験事例

公立病院には多くの診療科があるため、幅広い分野の看護を経験したい看護師や、どの分野の看護を極めたいか決まっていない看護師にとって、多くの分野の看護を経験する機会を持つことができるため向いていると感じます。また、ゼネラリストの看護師になりたい方にも向いているように思います。
私が勤務していた公立病院では、勤務3年目頃から異動があり、その後も希望によっては短いスパンで異動することができました。

公立病院で働く看護師のデメリットとは?

公立病院で働く看護師のデメリットとは?

民間病院と比較した場合、公立病院で働く看護師のデメリットは何でしょうか。

私が公立病院で働いた経験をもとに、公立病院で働く看護師の一般的なデメリットを説明していきます。

看護師の副業が禁止されている

公立病院で働く看護師は地方公務員になります。

そのため、地方公務員法 (e-Gov法令)では、公務員が公務の公正性や効率性を保つため、原則として副業を禁止しています。

具体的には、地方公務員が許可なく他の職業に従事することは、職務専念義務や信用失墜行為の禁止といった規定に抵触する可能性があるため、基本的に認められていません

民間病院に勤務する看護師は、医療ライターやSNSなどを活用して副業するケースも増えていますが、公立病院で働く看護師はこれを行うことができません。

看護師の体験事例

一部、地域によっては副業を認める自治体も増えてきましたが、行政で活用できる副業でなければ一般的に認められることは少ないです。
私が勤務していた当時は、こっそり副業している看護師もおらず、副業が見つかった場合には、自主退社や最も重い罰として懲戒免職となることもあるそうです。

患者からの差し入れを受け取れない

民間病院で勤務している場合、患者からよく贈り物や差し入れをいただくことがあります。

しかし、公立病院で勤務している看護師は、利益供与の禁止・不正行為の防止・公務員の信用保持等を理由に、患者からの贈り物や差し入れはもらうことができません。

こちらも、地方公務員法 (e-Gov法令)に準ずる必要があり、デメリットに感じる看護師もいるでしょう。

看護師の体験事例

私が勤務した公立病院では、患者が贈り物や差し入れを持ってきた場合には、看護師として断らなければなりませんでした。患者の押しに負けて受け取ってしまうこともありましたが、基本的には断るように指導されていました。
聞く話によると、利害関係が問題になるため、公立病院によってはどんな小さな差し入れも徹底してお断りするところもあるようです。

業務が多忙で委員会や教育を任されることが多い

公立病院は地域の中核病院であるため、診療科や病床数が多い傾向にあります。

病床数が多いことに加え、24時間救急診療体制をとっている病院が多く、勤務する公立病院によっては緊急入院などで看護師が忙しく動き回ることも少なくありません

夜間も同様で、忙しくなった時にいつでも動ける状態に看護師は備える必要があり、ゆったりと働きたい方にはデメリットに感じることもあります。

さらに、公立病院は基本的に大きな組織であるがゆえ、委員会や係などの役割分担があり、少なくとも一つは看護師が受け持つことが求められ、これらの活動が業務時間外となることもあります。

また、後輩の教育に携わる必要があり、決められた業務以外の仕事をするのが嫌な看護師には重荷となることもあるでしょう。

行いたい分野以外の看護も求められる

公立病院では、必ず定期的(1年~3年)に看護師の異動があり、かつ地域の中核的な病院であるため診療科や病棟も豊富です。

そのため、看護師が希望する分野やチャレンジしたい分野があっても、その分野の看護を行える保証はなく、場合によっては全く異なる分野の看護をしなければならないこともあります。

看護師として希望する分野やチャレンジしたい分野がある場合、公立病院で働くことがデメリットに感じるかもしれません。

また、最短期間でスペシャリストの看護師を目指したい方は不向きと言えます。

看護師の体験事例

勤務する公立病院によって異なりますが、私が勤務していた公立病院は異動を断ることはありませんでした。(異動したい診療科や病棟はアンケート方式で聞かれることはありました。)
そのため、異動を看護師が拒否する場合は、適切なタイミングで退職する方が多かった印象です。

公立病院ではなくなるリスクがある

公立病院の中には財政難の自治体も多く、経営が難しいと判断された場合には、地方独立行政法人化を行う場合や、医療法人や社会福祉法人等に運営を移管する場合があります

地方独立行政法人化された場合、看護師の身分は「みなし公務員」となり、地方公務員同様に看護師の待遇は一定程度保証されます。

しかし、医療法人や社会福祉法人等に運営を移管する場合、民間病院となるため、公立病院で働く看護師のメリットがなくなります。

そのため、公立病院に勤務する看護師は、公立病院で亡くなってしまうリスクを抱えていることがデメリットです。

看護師の体験事例

私の看護師の友人で、公立病院に新卒から勤務している看護師がいましたが、3年目に地方独立行政法人化されてしまったケースもあります。
せっかく公立病院に採用されたのに、すぐに民営化されることにならないよう、事前に調べて確認しておきましょう。

公立病院で働く看護師の平均給与・平均年収や退職金事情

公立病院で働く看護師の平均給与・平均年収や退職金事情

公立病院で働く看護師の平均給与や平均年収、平均ボーナス(賞与)、退職金事情を、データや私の体験談とともに以下で説明していきます。

公立病院で働く看護師の平均給与・平均年収等

平均給与合計 321,202円/月
平均給料 303,354円/月
平均賞与・ボーナス
(期末・勤勉手当)
約1,334,758円/年
平均年収 約5,189,182円/年
職員数 332,042人

※平均給与合計:扶養手当平均6,262円、地域手当平均16,335円を含んだ金額
※平均賞与・ボーナスの計算式:令和5年度の期末手当・勤勉手当(4.40ヶ月分)×平均給料
※年収の計算式:平均給与合計×12ヶ月+平均賞与・ボーナス
※出典:令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果(総務省)より、団体区分別,男女別,会計別,職種別職員数及び平均基本給月額の看護・保健師職を参照
※小数第一位を四捨五入しています。

2024年に発表された「厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」では、看護師の平均年収は全体で平均年収は5,197,000円、平均月給は363,500円、平均賞与は835,000円という結果になっています。(看護師の平均年収等は「2025年版!看護師の平均年収は約520万円/20代・30代・40代の年齢・都道府県別」を参照してください。)

このことから考えても、公立病院で働く看護師の平均年収・賞与は高いことが予想されるため、安定した給与を受け取ることができます。

看護師の体験事例

例えば、新卒で公立病院に入職した看護師の場合、給与は他の民間病院と比較して低いことがあります。しかし、3年、4年と看護師として働いているうちに手取りも30万円を超えるため、民間病院で働く看護師と比較して、同等かそれ以上の給与となる場合が多いと思います。
また、公立病院で働く看護師のメリットでも説明したように、福利厚生が充実している点で、民間病院よりも待遇は良いと私は感じます。

公立病院で働く看護師の退職金(退職手当)

以下は、看護職に限定したものではありませんが、地方公務員の全職種、一般職等の平均退職金(退職手当)の平均値のデータです。

全職種
  • 全退職者平均支給額:約13,259,000円
  • 定年退職者平均支給額:約21,993,000円
一般職
  • 全退職者平均支給額:約11,652,000円
  • 定年退職者平均支給額:約21,513,000円
一般職のうち一般行政職
  • 全退職者平均支給額:約14,360,000円
  • 定年退職者平均支給額:約21,795,000円

※出典:給与・定員等の状況|給与・定員等の調査結果等 令和5年(総務省)

公立病院で働く看護師に一番近い、一般職の平均退職金(退職手当)でも、定年退職の場合は約2,150万円、全退職者平均でも1,165万円ととても高額であることが分かります。

看護師の体験事例

公立病院で正職員の看護師として定年まで働いた場合、役職や勤続年数によって異なりますが、新卒から勤め上げた場合は約2,000万円の退職金を受け取ることができます。また、勤務する公立病院によっては1年間以上勤務することで退職手当を受け取れる場合もあります。
退職金制度については、勤務する自治体によって多少金額の差があるかもしれませんが、民間の病院に比べて充実していることは間違いありません。

公立病院で働く看護師になるには(中途・新卒)

公立病院で働く看護師になるには(中途・新卒)

公立病院で働く看護師になるには、新卒(免許取得見込み者)でも中途採用(転職)でも地方公務員試験(看護師の採用試験)を受けて、合格する必要があります

しかし、特に中途採用の看護師の場合は、行政職のような地方公務員試験ではなく、書類審査・面接・論作文試験が多く取り入れられており、難しいペーパーテストの試験が少ない傾向にあります。

また、公立病院(各自治体)によって試験内容が大きく異なるため、注意が必要です。

以下で、公立病院で働く看護師になるために知っておきたいことを説明していきます。

公立病院の転職・就職には年齢制限がある?

冒頭でも説明したように、公立病院における看護師の採用試験は、行政職のような地方公務員試験ではないものの、受験資格に年齢制限を定めている公的病院もあります

しかし、中途採用(転職)の場合は年齢制限が緩和されていることが多く、50歳代まで応募可能な場合も多いです。(定年までや年齢制限がない場合もあります。)

一方、新卒採用(看護師免許取得見込み者)の場合は、年齢制限が設けられているケースは少なく、行われる看護師国家試験の年次が指定されている場合が多いです。

つまり、公立病院へ看護師として就職・転職する場合は、年齢をあまり気にせずに応募可能な採用試験を探すことをおすすめします。

公立病院の看護師は中途採用(転職)でも可能?

公立病院の看護師は、中途採用(転職)でも入職することが可能です。

看護師の採用試験(地方公務員試験)の中には「枠(採用人数を定めた職種等)」が明確に定められているケースも多く、「新卒枠(一般試験)」「中途採用・経験者枠」となっている場合もあります。

ただし、中途採用・経験者枠の場合、中途採用を希望する看護師を対象とする一方で、臨床経験が求められるケースが多く、3年以上の実績は求められる場合がほとんどです。

また、民間病院とは異なり、初めから管理職や管理職候補の中途採用はとても少ない傾向です。

看護師の体験事例

私は民間病院に勤務した後、転職で公立病院の看護師として働きましたが、特に都市部の公立病院の看護師採用試験は倍率が高く、狭き門となっています。
例えば、新卒看護師は100名採用するのに対し、中途採用の看護師は採用予定人数10名などの差があります。
また、通常地方公務員を目指す場合は公務員試験を受けなければなりませんが、看護師の場合、看護師採用試験に合格すれば入職することができるため、公務員試験のイメージとは異なるように感じます。

公立病院の看護師採用試験内容

一般的な公立病院の採用試験内容は以下の通りです。主に、1次試験と2次試験があり、多い場合は3次試験以降も続く場合があります。

書類審査
  • 内容:看護師の経歴や志望動機などの書類上で審査する試験
  • 解説:ある程度対策が必要な試験
  • 新卒採用:書類審査で落とされることは少ない
  • 中途採用:書類審査が1次試験の場合が多く、重要な割合を占める
教養試験
  • 内容:一般知識分野(社会科学・人文科学・自然科学)、一般知能分野(数的処理・文章理解)が求められる試験
  • 解説:公務員試験対策が必要な試験
  • 新卒採用:教養試験がない公立病院も増えている
  • 中途採用:教養試験は基本的にない
専門試験
  • 内容:各試験の区分(看護区分)に応じて必要な専門的知識を問う問題
  • 解説:公務員試験対策が必要な試験
  • 新卒採用:専門試験を設けている公立病院も多い
  • 中途採用:専門試験がある場合とない場合が乱立している
論作文試験
  • 内容:テーマに合わせて論作文を行う試験
  • 解説:ある程度の対策が必要な試験
  • 新卒採用:必ず設けているところが多い
  • 中途採用:必ず設けているところが多く、試験において重要な割合を占める
面接試験
  • 内容:グループ面接や個人面接などを行う試験
  • 解説:病院の看護師長、副師長の看護部門の幹部に加え、病院長、事務長など病院運営の幹部が面接官として参加するケースもある
  • 新卒採用:必ず試験がある
  • 中途採用:必ず試験があり、面接が重要視される

新卒採用の場合、多くの公立病院では1次試験に教養試験や専門試験を行い、2次試験で論作文試験や面接試験が行われることがほとんどです。

一方、中途採用の看護師の場合、経歴が評価対象となるため、1次試験が書類審査で、2次試験が面接試験と論作文試験というケースが多いでしょう。

いずれにしても、履歴書や職務経歴書はしっかりと記載する必要があり、試験対策が必要です。

看護師の体験事例

看護師として転職や就職を希望する公立病院(自治体)によって、看護師採用試験の内容には大きな差があります。例えば、過疎化の進む地域の公立病院では、筆記試験がなく履歴書で書類選考を行うケースが多いです。一方、人口の多い都市部の公立病院の看護師採用試験では、一般教養や専門知識を問う筆記試験が行われます。
筆記試験がある場合は、公立病院によっては過去問を公表しているところもあるため、気になる公立病院の過去問を入手してみてください。

公立病院の看護師の面接試験・中途採用(体験談)

公立病院で看護師として中途採用を応募した際の私の体験事例をご紹介します。

始めに、公立病院は民間病院と異なり、地方の税金を使って病院経営や採用を行っています。そのため、その地域に関心を持ち、どのように看護師として地域貢献していくのかということを考え、看護師採用試験に挑む必要が私はあると思います。

面接試験は、病院の看護師長、副師長の看護部門の幹部に加え、病院長、事務長など病院運営の幹部が面接官として参加しており、以下のことを質問されました。

  • この病院を選んだ志望動機
  • 転職する動機
  • 私の看護観
  • 最近関心のあるニュース等

面接での質疑応答の内容に加え、面接官はその看護師の人柄を見て採用の合否を決める印象があり、看護師採用試験において面接はとても重要に感じました。

そのため、面接時の身だしなみやマナーにも気を付けることも大切だと思います。

公立病院の看護師の志望動機・中途採用(体験談)

私は、公立病院に転職するための志望動機は以下のように回答しました。私の個人的な志望動機のため、参考程度にとどめるようにしてください。

「今まで慢性期の病棟で勤務してきましたが、がん患者様の看護を提供する中で、さらにより良い看護を身に付けたいと思うようになり、がん診療拠点病院である貴院で働きたいと考えるようになりました。前職では、がん患者様だけでなく、その他の疾患の患者様も多くおられたので、幅広い看護を学ぶことができましたが、貴院の充実した教育制度の中で積極的に研修や勉強会に参加し、看護師としてさらなるスキルアップを図りたいと思っています。

また、貴院には緩和ケアやがん化学療法看護の認定看護師が在籍されており、プロフェッショナルな先輩方にご指導いただき、一緒に仕事をすることで、患者様の個別性に応じた、その人らしい看護が行えることにも魅力を感じました。

何より、幼少のころから慣れ親しんだ地域の人々のために貢献したいと考え、貴院での勤務を希望するようになりました。患者様だけでなく、ご家族にも寄り添った看護を実践したいと思っています。貴院では育児休暇や産休の制度がとても充実しているので、今後妊娠、出産があっても安心して働くことができ、ぜひ貴院で長く勤めたいと考えています。」

公立病院の看護師求人はどこで見つける?

公立病院の看護師求人・看護師採用試験情報は、各自治体から出る採用試験をチェックする必要があります

自治体の公式ページから試験情報が更新される場合もあれば、公立病院のホームページから募集求人が出る場合もあり、自治体によってさまざまです。

おすすめの方法としては、中途採用の場合、以下でご紹介する看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)の活用と、看護師の公務員試験日程をまとめている「公務in」が便利です。

また、公立病院の看護師採用時期は4月頃から6月頃、9月頃から10月頃が一番多いですが、看護師が不足している場合、随時募集が行われるため、定期的にチェックする必要があります。

公立病院の試験と併用して看護師転職サイトを活用しよう

公立病院の試験と併用して看護師転職サイトを活用しよう

公立病院へ中途採用や転職を希望する看護師の場合、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を活用することをおすすめします。

看護師転職サイトを併用して活用する理由は、以下の通りです。

  • 履歴書や職務経歴書の添削や作成を行ってもらえるため
  • 面接対策を行ってくれるため
  • みなし公務員(地方独立行政法人や公的病院)の求人を取り扱っている可能性があるため

公立病院の求人を看護師転職サイトが取り扱っている可能性は少ないですが、地方独立行政法人や公的病院の看護師求人が多いため、転職に不慣れな場合、一度履歴書や職務経歴書の書き方の指導を受けた方が良いでしょう。

また、公立病院よりも条件が良い民間病院の看護師求人も豊富なため、しっかりと転職する病院の比較を行うためにも、看護師転職サイトは併せて活用しておきましょう。

以下は、利用した看護師に定評があり、地方独立行政法人や公的病院等が多い看護師転職サイトです。2社とも登録して、まずは希望する病院の看護師求人を探してもらいましょう

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対応職種 正看護師、認定看護師、准看護師、助産師、保健師、管理職
対応 勤務形態 常勤、常勤(日勤のみ)、常勤(夜勤あり)、常勤(夜勤のみ)、非常勤
対応施設 病院、クリニック、訪問看護、企業、保育園、幼稚園、学校、その他
【介護施設】
居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問介護事業所、介護老人保健施設、軽費老人ホーム、デイケア事業所、小規模多機能、訪問入浴事業所、看護小規模多機能居宅介護、有料老人ホーム、デイサービス事業所、グループホーム、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者専用住宅、ショートステイ事業所、訪問リハビリ事業所、介護医療院
対応 診療科目 美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他
対応配属先 病棟、外来、オペ室、透析、その他
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴 ・東証プライム上場企業
・支店が多く地域密着&チーム制で転職をサポート
・職場のリアルな情報を共有することも可能
・2025年オリコン顧客満足度®調査 看護師転職3年連続No.1
・LINE対応

ナース専科 転職は、病院の看護師求人を中心に、非公開求人を含め20万件以上を保有している看護師転職サイトです。

そのため、希望条件に合った好条件の地方独立行政法人や公的病院等の看護師求人が見つかりやすいです。

公立病院の採用試験の準備と並行して活用することがおすすめです。

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看護師求人数No.1!レバウェル看護

レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

転職相談 面接対策 条件交渉 退職相談
2重丸 2重丸 2重丸 2重丸
サイト名 レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
運営会社 レバレジーズメディカルケア株式会社
公開求人数 129,063件(2026年3月1日時点)
非公開求人 豊富
対応職種 正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤
対応施設 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
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レバウェル看護(旧 看護のお仕事)は、看護師求人がどの看護師転職サイトよりも断トツに多く、公的病院や地方独立行政法人の看護師求人を取り扱っています

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公立病院と併用しながら看護師求人を探したい場合は、必ず活用しておきたい看護師転職サイトです。

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/

まとめ

看護師として公立病院で働くことには、多くのメリットとデメリットがありますが、私はそれほどデメリットに感じたことはありませんでした。

公立病院で働く看護師は、安定した給与や充実した教育制度、幅広い診療科を経験できる点が大きな魅力です。

しかし、一方で、副業が禁止されていることや業務の多忙さ、希望する分野での看護ができない可能性など、公立病院によっては注意すべき点もあると感じます。

看護師として公立病院への転職や就職を考えている方は、自分のキャリアプランやライフスタイルに合わせて、これらのメリットとデメリットを参考にしてみてください。

公立病院で看護師として働く場合と民間病院で看護師として働く場合では、少し違いがありますが、看護師として働く「病院」であることに変わりはありません。

公立病院に転職・就職をお考えの看護師の方は、看護師採用試験情報や求人情報を定期的にチェックし、適切なタイミングで応募することをおすすめします。

この記事が皆様の少しでも役に立つことを祈っています。ありがとうございました。

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監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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