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産婦人科で働く看護師の仕事内容とメリット・デメリット

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産婦人科で働く看護師の仕事内容と体験談
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産婦人科の看護師は、妊婦・褥婦(産後の女性)・新生児への看護、婦人科疾患の術前後管理、がん治療・診察の補助、心理的支援などを行います。ただし、正常分娩の助産行為や分娩進行の独自判断は看護師の業務ではなく、医師・助産師が担います。

産婦人科は命の誕生に関わる一方、流産・死産・婦人科がん、緊急帝王切開や産後出血など心身ともに負担の大きい場面にも対応する診療科です。ここでは産婦人科病棟で6年勤務した看護師の実体験と公的な業務区分を分けて解説します。

私は、総合病院で看護師として勤務後に、転職を経て産婦人科の看護師として6年働きました。(6年間の間に2つ勤務する病院を変更しました。)
最後に私が勤務した産婦人科病棟では、看護師をまとめチームリーダーを務め、助産師や医師を始め、他職種との連携を取る中心としての立場で仕事に取組みました。

今まで一般病棟で働いてきた看護師にとって、産婦人科という分野の看護師が、どのような仕事をしているのか、分かりづらいでしょう。

産婦人科病棟で働く看護師は、生命の誕生という素晴らしい場面の裏に、様々な大変な仕事を併せ持っていることが現実です。

以下では、産婦人科病棟で働く看護師の仕事内容、看護師として働いて感じたことを私の経験をもとに説明していきます。

あなたが思い描いている産婦人科病棟の看護師像と照らし合わせて、確認してみてください。

執筆・監修看護師
久美子 看護師
久美子 看護師
  • エリア:海外在住
  • 保有資格:看護師
  • 施設経験:総合病院
  • 専門分野:整形外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、脳外科、回復期リハビリテーション科、外来

2児の男の子の母と看護師の両立に奮闘しながら総合病院(整形外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、脳外科、回復期リハビリテーション科、外来)の看護師として勤め、その勤務経験は10年以上。常勤看護師として小さな子供を抱えながら夜勤もやっていました。現在は夫の都合で海外在住。看護師はしていませんが看護師ライターとして活動しています。様々な科での勤務経験と、看護師と出産・育児との両立経験を生かし、皆さんが知りたいという内容を分かりやすくお届けしたいと思います。

著作・監修記事一覧

目次

産婦人科看護師と助産師の仕事内容・業務範囲の違い

産科・婦人科の看護師と助産師の役割の違いを比較。産科看護・婦人科看護・助産の担当を解説する図解
編集部作成:産婦人科の看護師と助産師の役割を比較

看護師は療養上の世話・診療の補助、助産師は正常分娩の助産や母子の保健指導を専門的に担います。厚生労働省の「分娩における医師、助産師、看護師等の役割分担と連携等について」では、看護師は自ら判断して分娩進行を管理せず、医師・助産師の指示監督の下で診療・助産の補助と産婦の看護を行うとされています。

担当・職種 代表的な仕事 仕事で注意すること
産科の看護師 妊婦・褥婦の状態観察、診療の補助、術前後ケア、新生児のケア 助産行為・分娩進行の判断を独自に行わない
婦人科の看護師 婦人科疾患・手術・薬物療法の看護、疼痛・精神面の支援 治療内容に応じて外科・腫瘍看護の知識が必要
助産師 正常分娩の助産、妊産婦・新生児の保健指導、出産前後の支援 異常時は医師と連携する

出典:保健師助産師看護師法(e-Gov)、厚生労働省通知。具体的なケアは施設の方針・看護師の配置・安全管理手順で異なります。

産婦人科病棟で働く看護師の仕事内容と日勤の流れ

産婦人科病棟で働く看護師の仕事内容

はじめに以下のような方が産婦人科病棟に入院しています。

  • 患者:産科系・婦人科系疾患の患者
  • 妊婦:妊娠期間中の方(経産婦:出産経験のある方)
  • 産婦:分娩徴候があらわれてから後産が完了するまでの方
  • 褥婦(じょくふ):娩終了後母体が正常に回復するまでの期間(約6週間)における方

(産婦人科病棟の仕事内容を説明させていただく上で、覚えておいてください。)

産婦人科病棟で働く看護師の仕事内容は多岐にわたり、主に妊婦への健診・検査の補助や保健指導、分娩時の産婦のケア、褥婦の看護ケアや指導、新生児のケア、産科系・婦人科系疾患患者の看護や処置などです。

また、産婦人科病棟は一般的に「産科」と「婦人科」に分かれています。

産科は主に、産前後の母子の観察とケア、助産師の分娩介助、中絶手術の準備と補助、妊娠中に何らかの経過異常で入院をしている妊婦のケアを看護師が行います。

婦人科は、子宮筋腫や子宮がんなどの婦人科系疾患の術前後の看護、抗がん治療の補助とケアなどが主な看護師の仕事です。

病棟によっては産科・婦人科を分け、別の病棟では混合して担当します。「お産に立ち会える」「新生児を担当できる」は全施設に共通する看護師の配置条件ではありません。応募前に具体的な業務分担を確認しましょう。

以下は、私が産婦人科病棟で看護師として勤務した1日のスケジュール例(日勤)です。

8:00~ 業務開始
・担当患者(妊婦、新生児を含む)の情報収集
・予定事項(検査や手術、指導等)の確認
8:30 申し送り・ミニカンファレンス
・患者の状態やケア方法について検討
・治療方針等の確認
9:00 患者の環境整備・清潔ケア、点滴準備、医師の診察介助、手術への搬送、分娩介助
・患者のベッド周囲の環境整備
・順次患者の清潔ケア(新生児は沐浴、その他は清拭等)
・手術が決まっている患者の搬送
・分娩補助の担当の場合は、分娩室入り
10:00 患者の午前の検温、点滴投与等
・バイタルサイン測定
・全身状態の観察
・妊婦担当は、ノンストレステスト(NST)や胎児の心音確認
・婦人科担当は、抗がん剤点滴治療等
・産婦や新生児担当は、授乳の指導、育児指導等
12:00 ・患者の昼食の配膳・下膳
・看護師は交代で休憩
13:30 カンファレンス、患者の午後の検温、指導、手術への搬送
・担当患者の状態・治療方針・方向性等と確認・修正・共有
・妊婦や婦人科患者とコミュニケーション
・午後の手術への搬送と迎えと観察
16:00 看護記録、申し送りの準備
16:30 夜勤の看護師へ申し送り
17:00 業務終了

私が産婦人科病棟で働いた経験をもとに、看護師の仕事内容について以下で詳しく説明していきます。

妊婦への健診補助や検査

妊婦への健診補助や検査

産婦人科病棟には、切迫早産や重症悪阻、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病(GDM)などの何らかの原因により、妊婦の患者も入院しています。

産婦人科病棟の看護師は、その妊婦に対して行われる妊婦健診の診察補助や問診、血圧測定、尿検査、計測などを行うことが仕事です。

私の経験からですが、具体的な仕事内容は以下の通りです。

問診
  • 看護師が妊婦に対して妊娠経過や体調について質問し、必要に応じてアドバイスを行う
  • 妊娠に関しての疑問や不安を看護師が聞きだし、悩みを軽減、解消させる
尿検査
  • テスト紙を使い尿タンパクや尿糖が出ていないかを検査
    (看護師でも行える検査です。)
  • 尿検査の結果を確認して医師へ報告する。妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病の診断は医師が行う
血圧測定
  • 看護師が妊婦に対して血圧を測定し、妊娠高血圧症の可能性などを確認する
体重測定
  • 妊娠の体重増加を確認し、妊娠高血圧症、妊娠糖尿病、難産の可能性を看護師が確認する
超音波ドップラー検査
  • 医師・助産師の実施や指示に基づく胎児心拍の確認等を補助し、異常が疑われる場合は担当者に報告する

診察・検査記録や母子健康手帳の記入補助は、施設の手順と担当職種の役割分担に従って行います。

妊婦に行う検査例

以下は、産婦人科病棟の看護師として把握しておく必要がある、妊婦に行う検査例のご紹介です。

妊娠中の健診で実施することがある検査
  • 腹囲測定
  • 浮腫検査
妊娠中期以降に毎回行う検査
  • 子宮底長測定
妊婦の必要時行う検査
  • 内診
  • 超音波(エコー)検査
  • 血液検査
  • 子宮頸がん検診
  • クラミジア、GBS(B群溶血性レンサ球菌)等の検査
  • NST(胎児心拍数モニタリング)

妊婦への保健指導、及び補助

妊婦への保健指導、及び補助

産婦人科病棟に入院している妊婦に対して、助産師が妊婦に保健指導を行います。産婦人科病棟で働く看護師は、助産師の保健指導の補助を行うことが仕事です。

また、私が勤務していた産婦人科病棟では、看護師も助産師同様に妊婦への保健指導を行っていました。(勤務する病院により異なるため注意してください。)

妊婦への保健指導は、主に「妊娠初期・妊娠中期・妊娠後期」の3回に分けて、以下の内容が行われます。

妊娠初期
  • 妊娠が判明した後の届出の方法や妊婦健診の流れなどの説明
  • 生活上の注意点や嗜好の変化、ホルモンバランスによる感情の変化などの説明
  • つわりの特徴やその予防と回避方法、つわりを軽減する食事内容や対処法を説明
  • 流産の種類やその兆候、予防法などを説明
妊娠中期
  • 妊娠中の変化に伴った食事内容の説明
  • 体を冷やさず締め付けない服装や安定した靴の提案
  • 腹部を保護する腹帯等の説明
  • 妊娠後期へ向かっての体の変化についての説明
妊娠後期
  • 体の負担を軽減する姿勢の指導や適した運動方法を指導
  • 出産へ向けて乳房の手当て(清潔保持やマッサージ方法等)を指導
  • 出産が始まる兆候や注意点、分娩に際しての必要物品を説明、最終確認

分娩時のサポート

分娩時のサポート

産婦人科病棟では、分娩に関わる医療判断・助産行為は医師や助産師が中心となって担当し、看護師は産婦の状態観察や医師・助産師の診療・助産の補助を行います。

そのため、産婦人科病棟で働く看護師は、分娩時の産婦のバイタルサイン測定や点滴管理、声かけ、モニター装置・管理、産まれた新生児の観察や計測など、分娩のサポートを行うことが仕事です。

また、産婦が帝王切開となった場合、術前後のバイタルサイン測定、点滴管理、悪露交換、尿量測定や疼痛コントロールなど看護師がサポートします。

褥婦の看護ケアや指導

褥婦の看護ケアや指導

産婦人科病棟で働く看護師は、褥婦の身体的観察と看護ケア、精神的ケアや指導がメインの仕事です。特に産後は分娩直後から1日目までに異常(産褥熱や子宮復古不全など)を起こす確率が高いため、看護師として細やかな注意が必要です。

また、褥婦は不眠になることや、授乳疲れなどを感じやすく看護師として身体的・精神的ケアも重要な役割です。

さらに、産後の限られた入院日数の中で、褥婦に対して育児指導も行い、自信を持って退院できるように看護師が手助けをします。

看護師の体験事例

褥婦の看護ケアや指導は、助産師が行っていると思われていますが、私が勤務した産婦人科病棟では、看護師も行っていました。
基本的に分娩中の産婦のケアは助産師が行いますが、産後から退院までの褥婦のケアや指導は看護師が行うところも多いです。
また、助産師が少ない病院などの場合は、胎盤の娩出までは助産師が行いますが、それが終わればすぐに看護師と交代するところもありました。

新生児のケア

新生児のケア

産婦人科病棟で働く看護師は、新生児のケアを行うことも仕事の1つです。

分娩後に新生児室、又は母子同室等で、生まれた赤ちゃん(新生児)の授乳、授乳介助、沐浴やオムツ交換、定められた各種検査などを行います。

特に新生児は、その特徴やケア方法なども成人と違うことが多いため、特有の看護や知識が必要です。

病院によっては新生児室と産婦人科病棟での看護師の業務が、分かれている場合もあります。

看護師は、母子同室の場合は部屋まで出向き、母乳の飲みや排泄の様子、母親との関わりなどを観察・介入します。母子異室や母親が見れない場合は、それらのケア全般を行います。

看護師の体験事例

新生児は体温や脈拍数、呼吸数からして成人と異なります。そのため、産婦人科病棟で働く看護師は、新生児の正常値を知ることからケアは始まります。
そして分娩経過によるもの、出生後に分かる疾患(新生児黄疸、胎便吸引症候群、肥厚性幽門狭窄症等)等についてもしっかりとした知識が必要でした。
看護師として、新生児の体重の変化や便の性状、哺乳力、泣き声など、普段の様子をしっかりと観察し、データと合わせた異常の早期発見がとても重要でした。

産科系・婦人科系疾患患者の看護や処置

産科系・婦人科系疾患患者の看護や処置

産婦人科病棟には、以下のような患者が入院しています。

  • 母体と胎児の管理が必要で入院中の妊婦
  • 腫瘍等の婦人科系疾患で入院中の患者

そのため、産婦人科病棟で働く看護師は、患者の全身状態の観察はもちろんのこと、各種処置、診察介助、投薬、清潔ケアなど幅広い仕事を行います。

他の病棟と同様に、患者が急変する可能性もあるため、看護師には迅速な判断と対応が求められます。

私の経験からですが、産婦人科病棟で働く看護師は仕事が多岐にわたり、各時期、各疾患に応じた幅広い知識と技術が看護師には必要でした。

産婦人科病棟で働く看護師のメリット・デメリット

産婦人科病棟で働く看護師のメリット・デメリット

産婦人科病棟の看護師として勤務し、実際に働いて感じたことを紹介します。

生命誕生の喜びを感じられる一方で、流産や死産への対応、急変時の緊張感など、他の診療科とは異なる特徴もあります。

産婦人科への転職を考えている看護師の方は、ぜひ参考にしてください。

生命誕生の瞬間に立ち会うことができる

生命誕生の瞬間に立ち会う産婦人科病棟の看護師

産婦人科病棟に看護師として勤務することで、生命誕生の瞬間に立ち会うことができます。

病棟勤務の看護師は患者の死に直面することも多いですが、産婦人科病棟は新しい命の誕生に関われる、とてもやりがいの大きい職場です。

産科領域の仕事に関われない場合もある

産婦人科病棟であっても、病院によっては看護師が産科領域の仕事に関われない場合があります。

例えば助産師が多く配置されている病院では、看護師は婦人科看護を中心に担当し、助産師が産科を担当するケースがあります。

産科は助産師が中心となって動くことが多いため、看護師として命の誕生に直接関われない場合もあることは理解しておきましょう。

分娩の介助と出生後の新生児ケアは役割が異なる

新生児の受け取りを行う医療スタッフ

産婦人科病棟では、妊婦から新生児が娩出されると、その新生児を受け取り母親と対面させます。

児を取り上げる助産行為は医師・助産師の役割です。一方、出生後に児を受け取り観察することや、保温・計測・状態確認などのケアは、看護師が指示・施設の手順に沿って担当する場合があります。

私が勤務していた産婦人科病棟では、医師や助産師が新生児を取り上げた後、その新生児を看護師が受け取り、母親と対面させることもありました。

助産師と看護師の違いは感じる

助産師と看護師が連携して働く様子

前述した「助産または妊婦、褥婦もしくは新生児の保健指導」「新生児の受け取り(ベビーキャッチ)」と「婦人科系疾患の看護」など、産婦人科病棟の助産師と看護師の仕事内容は異なります。

私が産婦人科病棟に勤務した際に感じた助産師と看護師の大きな違いは、お産が取れるか取れないかという点でした。

そのため、分娩を終えた母親や家族から感謝される機会は多いものの、感謝の対象は医師や助産師が中心になることもあります。

「同じ時間、同じ環境で分娩に関わったのに、やはり主役は医師や助産師なのだな」と感じることもありました。

しかし私は、看護師は分娩現場全体を把握し、陰で支える重要な役割を担っていると考えています。

また、私が勤務していた産婦人科病棟では、看護師・助産師・医師の誰もが目の前のお産が無事に終わってほしいという思いを共有していました。

私が感じる助産師と看護師の関係性

私が勤務していた産婦人科病棟では、助産師だけではカバーできない部分を看護師が担っていることも多い印象でした。
そのため、職種や立場に関係なく、お互いに協力し尊重し合って働くことが大切だと感じます。
しかし、お産に関わるという仕事柄、看護師は助産師の指示で動き補助を行う場面が多くなるため、看護師を部下のように見てしまう助産師がいることもありました。
逆に、助産師との関係性に線引きをしたい看護師がいるのも事実で、人間関係に悩むこともある職場だと感じます。

流産・死産などでリアリティショックを受ける

流産や死産の患者ケアを行う産婦人科看護師

産婦人科は生命の誕生に関わる明るい職場というイメージがありますが、実際はそればかりではありません。

さまざまな事情から中絶を選択する場合もありますし、出産を希望していても流産や死産になってしまうこともあります。

また、無事に出産できたとしても、生まれてきた子どもに何らかの疾患や障害がある場合もあります。

このような場面で患者や家族を支えることも産婦人科看護師の役割であり、理想とのギャップからリアリティショックを受ける看護師も少なくありません。

看護師の体験事例

実際に産婦人科に良いイメージを持って転職してきた看護師の中には、亡くなった胎児を目の当たりにし、その後の処置や対応に大きなショックを受ける方もいました。
悲しみの中にいる母親や家族へのケアも重要な看護師の役割であり、精神的な強さが求められる職場だと私は感じます。

産婦人科の看護師として怖い瞬間がある

母子の急変対応にあたる産婦人科看護師

私の経験ですが、産婦人科の看護師として何度か怖い瞬間に立ち会ったことがあります。

怖い瞬間体験1

鮮明に残っていることの1つは、分娩中の胎児の心拍が弱ってしまったことです。
何事もなく順調に分娩が進んでいたのに、急に胎児の心拍が低下しました。一刻を争う状況となり、緊急帝王切開が決定され、急いで準備が進められました。
胎児の心拍をモニタリングしながら迅速に対応する中で、母と子の2つの命が託されていることを改めて実感した出来事でした。

怖い瞬間体験2

出産直後の褥婦に大量出血である弛緩出血が起こったこともあります。
通常は子宮収縮とともに出血は落ち着いていきますが、この時は出血量が1200gに達し、緊急輸血が必要になりました。
血圧が低下していく褥婦を前に、急変の怖さと向き合いながらスタッフ全員で対応した忘れられない経験です。

産婦人科病棟で働く以上、怖いと感じる瞬間がなくなることはないと思います。

しかし、日々の経験や学びを積み重ね、その瞬間にスタッフ全員で協力しながら最善のケアを行うことが大切です。

産科と婦人科を兼務することもある

産科と婦人科の両方を担当する看護師

病院によって異なりますが、1つの産婦人科病棟で産科と婦人科が混合している場合、看護師は婦人科担当の日でもお産の状況によって産科を手伝うことがあります。

助産師は分娩を中心に担当しますが、看護師は助産師の介助や褥婦・新生児のケア、各種指導など幅広い業務を担います。

私が勤務していた病院では産科と婦人科が混合しており、フットワーク軽く動くことが求められていました。その分、看護師の忙しさも増していたと感じます。

そのため、業務分担されている場合でも、産科と婦人科を兼務する可能性があります。

看護師の仕事が予定通りには進まない

予定外の対応に追われる産婦人科看護師

出産は予定通りに進むものではありません。

そのため、勤務終了間際に入院や分娩が重なり、業務が長引くこともあります。

お産の途中で母子に異常が見つかれば緊急帝王切開へ切り替わることもあり、その際は急いで手術準備を進めなければなりません。

こうした状況では、看護師の仕事は予定通りに進まず、残業が発生することもあります。

婦人科系の患者対応もスケジュール通りにはいかない

婦人科で抗がん剤治療を受ける患者の看護では、細かな全身状態の観察が必要になることが多いです。

受け持ち患者の複数名が同日に抗がん剤治療を行うこともあり、その場合は状態観察やケアで忙しく動き回ります。

さらに子宮筋腫などの手術も多く行われるため、抗がん剤治療と手術対応が重なると非常に過密なスケジュールになります。

患者やその家族の対応がきつい

患者や家族への対応に悩む産婦人科看護師

前述したように、産婦人科病棟は生と死の両方に関わるデリケートな診療科です。

そのため、患者や家族からの要望や苦情が多いと感じる看護師もいます。

出産は人生の大きなイベントであり、理想の出産や育児への思いを持つ方も少なくありません。

その期待が大きい分、少しの不満が苦情につながることもあります。

実際に「看護師は自分の赤ちゃんだけ大切に扱ってくれない」といった理不尽な苦情を受けたこともありました。
こうした対応が続くと、精神的な負担を感じる看護師もいるでしょう。

産婦人科専門の知識や経験が身につく

産婦人科の専門知識を学ぶ看護師

産婦人科は他の診療科と比較して専門性の高い診療科です。

そのため、産婦人科病棟で勤務することで専門知識や経験を身につけることができます。

日本看護協会の資格認定制度には、母性看護専門看護師、新生児集中ケア認定看護師、生殖看護認定看護師などの専門領域があります。取得には必要な実務経験・教育・審査があり、産婦人科病棟に就職するだけで取得できる資格ではありません。

妊娠・出産の知識は自分のためにもなる

私は産婦人科病棟勤務を2回経験しました。
助産師や看護師の先輩と働きながら妊娠から出産、新生児ケアまで学べたことで、自身の妊娠・出産時にも大いに役立ちました。
若手看護師であれば将来のための知識になりますし、子育て経験のある看護師であれば自身の経験を活かした看護ができる職場だと感じます。

患者により寄り添った看護ができ、やりがいがある

患者に寄り添う産婦人科病棟の看護師

産婦人科病棟に入院している患者は、妊婦や褥婦だけではありません。

不妊治療中の患者や婦人科特有の疾患を抱える患者など、非常にデリケートな悩みを抱えている方もいます。

そのような患者に対して、同じ女性として気持ちに寄り添いながら支援やケアを行えることに大きなやりがいを感じます。

患者一人ひとりの不安や悩みに向き合いながら、長期的な支援ができることも産婦人科看護の魅力の一つです。

産婦人科看護師に向いている人・未経験転職の注意点

産科・婦人科の看護に興味があり、母子と家族への支援、看護師・助産師・医師との連携、予定外の急変や心理的に難しい場面への対応を継続して学べる人に向いている可能性があります。出産に立ち会うことだけを目的にすると、看護師の担当範囲とのギャップが生じることもあります。

確認したい働き方 事前に見ておくこと
産科・婦人科の比率 妊婦・褥婦・新生児担当、婦人科手術・がん治療担当の比率
夜勤・緊急対応 分娩・緊急帝王切開・産後出血の応援・当直体制、休憩
未経験者の研修 新生児・母体観察・婦人科がん・急変・死産の心理的支援の研修
配属と雇用条件 配属希望がどこまで認められるか、基本給・手当・夜勤・賞与

産婦人科看護師の給料・夜勤・残業は?

産婦人科だから全国一律に高給・低給という根拠はありません。給料は病院規模、基本給・経験加算・夜勤手当・賞与などで異なります。産科には夜間の分娩・緊急帝王切開、婦人科には術前後の観察・薬物療法などがあり、忙しさと残業は勤務先によって変わります。

「助産師ではなく看護師が実際に担当する仕事」と「夜勤中にどの職種が何人いるか」は、見学・面接で具体的に確認しましょう。助産師として正常分娩の介助を希望する場合は、看護師から助産師になるための資格取得方法も参考になります。

産婦人科看護師の求人の探し方と配属前のチェック

産婦人科看護師の転職前に確認する病棟構成、夜勤・急変対応、業務分担、教育・心理的支援の4項目の図解
編集部作成:産婦人科求人の比較・見学時の4つの確認事項

産婦人科へ看護師として転職を希望する場合、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を活用することをおすすめします。

産婦人科への配属を希望する場合は、産科と婦人科のどちらの業務が中心なのか、希望配属が認められる条件があるかを応募先に確認しましょう。希望する診療科に必ず配属されるとは限りません。

看護師向け転職支援サービスに、産科・婦人科の受け持ち範囲や夜勤体制について確認を依頼する方法もあります。ただし、登録・利用は必須ではなく、配属確約や待遇の保証があるわけではありません。

また、病院・クリニック両方に言えることですが、規模や形態によって看護師の仕事内容に大きな違いがあるため、看護師転職サイトの担当者に仕事内容詳細の確認や、実際に職場見学のアポイントを設定してもらうと良いでしょう。

求人は病院の公式採用情報、ハローワーク、看護師向け転職支援サービスなどで比較できます。希望配属の有無、研修・応援体制、給与・夜勤の正式な条件は、最終的に採用機関へ確認してください。

以下では看護師の転職支援サービスを紹介します。特定地域の産婦人科求人を必ず取り扱う・配属を保証するといったものではありません。必要に応じて候補求人を比較してください。

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レバウェル看護

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対応職種 正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤
対応施設 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
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対応 診療科目 美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他
対応配属先 病棟、外来、オペ室、透析、その他
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
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ナース専科 転職は、丁寧で親切な対応と、的確な転職のアドバイスを行ってくれることから、利用する看護師にとても人気が高い看護師転職サイトです。

また、掲載している看護師求人の40%は非公開求人(インターネット上に出ない、担当者から紹介してもらえる求人)となるため、採用側(病院側)とのやり取りもとてもスムーズです。

そのため、病院の産婦人科への転職を希望する看護師は併せて活用しておきたい転職サイトです。

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キャリアの相談から可能!ナースではたらこ

ナースではたらこ

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サイト名 ナースではたらこ
運営会社 ディップ株式会社
公開求人数 11,052件(2026年11月2日時点)
非公開求人 豊富
対応職種 正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 勤務形態 常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従
対応施設 病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴 ・非公開求人が豊富
・希望条件に合う求人が見つかりやすい
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ナースではたらこは、非公開求人が豊富で保有している看護師求人数も多く、バランスが取れた看護師転職サイトです。

さらに、看護師のキャリアの相談やライフスタイルの相談から始めることができる転職会社のため、産婦人科の転職に悩んでいる看護師の方は活用がおすすめです。

公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/

産婦人科看護師の仕事内容・資格・転職に関するよくある質問

Q. 看護師でも産婦人科で働けますか?

はい。妊婦・褥婦の看護、婦人科疾患の術前後や薬物療法の看護、診療の補助、新生児のケアなどを担当できます。正常分娩の助産行為は看護師が独自に行う業務ではありません。

Q. 産婦人科看護師と助産師の違いは?

看護師の業務は療養上の世話と診療の補助です。助産師は助産と妊産婦・新生児の保健指導などを担います。分娩中の看護師は医師・助産師の指示監督の下で介助し、産婦の看護を行います。

Q. 産婦人科未経験でも転職できますか?

未経験者を応募対象とする求人もありますが、病院の条件で異なります。母体・新生児の状態観察、急変時の協力、婦人科手術や薬物療法について研修・指導体制を確認してください。

Q. 産婦人科病棟は夜勤・残業が多いですか?

分娩や緊急帝王切開、婦人科の急変が重なる施設では夜勤・残業が発生します。一方、病棟の重症度・分娩件数・当直体制で異なります。求人票と見学で夜勤回数と対応人数を確認しましょう。

Q. 産婦人科に向いている看護師はどんな人ですか?

母子と家族の支援、婦人科疾患や手術看護、他職種との協力を学びたい人に適性がある場合があります。命の誕生だけでなく流産・死産・がん治療などの心理的支援にも向き合う必要があります。

診療科・配属の希望を伝えるときは看護師の希望部署への配属の考え方も参考にしてください。

まとめ

私は6年間、産婦人科病棟の看護師として勤務してきましたが、「お産に関わりたい」「妊娠や分娩に関わりたい」という気持ちがある看護師は、産婦人科に向いてると思います。

「お産してよかった。次の子もまた、ここで産みたい!」と、母親やその家族の本当に満足のいくお産を終えた言葉を聞くことができたとき、産婦人科病棟の看護師として、私はとても「やりがい」を感じます。

そして、退院後は健診の時などに病棟に立ち寄ってくれる母子も多く、大きくなっていく子と明るい母親の顔を見ることができます。

もちろん忙しく大変なこともありますが、新しい命の誕生やそれを取り巻く家族の優しさに触れることで、それ以上の喜びを感じることのできる職場です。

今回ご紹介したことが、産婦人科の看護師として働きたい皆さんの具体的なイメージに繋がれば幸いです。

皆さんの持っている理想と産婦人科の看護師の実際の幅が少しでも近づき、産婦人科看護師への一歩が踏み出せることを願っています。

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監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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