形成外科は、身体的表面に生じた傷や熱傷、腫瘍、皮膚潰瘍、先天性欠損や奇形など、身体の形状や外観を修正、再建、改善する手術や治療を行う診療科です。
私は、約600床ある総合病院の50床ある外科混合の形成外科病棟で看護師として3年勤務し、最後の年には新人看護師への指導を担当していました。
よく間違われやすい整形外科は、骨や筋肉、関節などの運動器に関する疾患や怪我を治療する診療科であり、形成外科と異なります。ただし、患者によっては交通外傷などで骨折と皮膚損傷が同時に発生している場合など、皮膚表面と筋骨格を同時に治療することは少なくありません。
そのため、私が勤務していた形成外科病棟では、患者によって形成外科と整形外科が共同して治療にあたることが多々ありました。
以下では、私の経験をもとに形成外科病棟で働く看護師の仕事内容、形成外科病棟で働いて感じたことを説明していきます。
執筆・監修看護師
村上 看護師
大学病院の脳神経外科・脳卒中ケアユニット、形成外科、血液内科病棟等に看護師として勤務後、民間病院で5年間働きました。現在は、がんの患者さんのためのカウンセリングをオンライン行っている看護師です。私の経験から看護師の皆様に役立つ情報を発信していきます。
著作・監修記事一覧
形成外科病棟で働く看護師の仕事内容

私が勤務していた形成外科病棟では、入院患者は先天性奇形や疾患による変形、皮膚疾患によって手術を受ける場合がほとんどでした。さらに、中には深い部分まで露出した傷口を処置することもあり、形成外科病棟では患者の皮膚異常に、看護師として必ず向き合うことになります。
また、先天性奇形を持った小児の患者が入院してくることも多かったです。
そのため、形成外科病棟で働く看護師は周術期ケアが主な仕事であり、手術を受ける患者に手術のオリエンテーションを行うことから始め、手術後の全身管理、ボディイメージの変容に関するメンタルケア、リハビリテーション介助等を行います。
他の病棟とは違う、形成外科病棟で働く看護師の仕事内容の詳細を私の経験から説明していきます。
患者へのオリエンテーション

形成外科病棟に入院する患者は、手術治療が行われることが多いです。
そのため、術前患者のオリエンテーションを行うことも、形成外科病棟に勤務する看護師の仕事です。
主に、患者が身体的にも精神的にも良い状態で手術に臨めるように、看護師は努めます。
また、手術前のバイタルサイン計測等の処置や、必要物品の準備なども形成外科病棟の看護師が行います。
看護師の体験事例
私が勤務した形成外科病棟で治療を受けていた患者は、皮膚損傷や皮膚の炎症などにより痛みが生じていることが多いです。
そのため、術前はもちろんのこと術後にも、患者は血圧が高値になったり、発熱が生じやすかったりする状態にあるため、定期的なバイタルサイン測定も大切な看護師の仕事でした。
患者のドレーン管理

形成外科手術後の患者は、基本的にドレーンが挿入されているため、看護師はドレーンの管理を行うことが仕事です。
そのため、形成外科病棟で働く看護師は、患者のドレーンの異常な排出量、排出物の性状の観察を行います。
また、形成外科では、最近の医療進歩により最新器具なども開発されているため、術後患者のケアだけではなく、物品の使用方法や管理も合わせて行います。
看護師の体験事例
私の経験ですが形成外科病棟で手術を受ける患者は、消化器には異常が無いことが多いため、基本的には術後から食事は提供されます。
ただし、十分な食事が摂ることができない患者の場合、栄養状態の悪化により治りにくい可能性がでてきます。
そのため、術後患者の養状態や炎症値の確認するため、看護師は定期的に採血を行い、場合によっては点滴で水分や電解質の補充を行っていました。
患者の皮膚ケア

術後患者の創部の洗浄や軟膏塗布、ガーゼの交換などの皮膚ケアを行うことも、形成外科病棟で働く看護師の仕事の1つです。
(私の経験ですが、形成外科病棟では、多くの患者が形成の手術を受けるため、働く看護師は皮膚ケアの仕事がとても多いです。)
順調に患者の皮膚形成が進む場合もあれば、逆に新たに壊死部分が見られる場合もあります。
そのため、形成外科病棟で働く看護師は、常に皮膚状態の観察を行い、適切な治療が行われるよう医師と連携を図ることが重要です。
看護師の体験事例
私が形成外科病棟に勤務している際に、自転車走行中に大型トレーラーに巻き込まれた交通外傷により入院していた患者がいました。
その患者は、両足の大腿部を中心に下腿部にかけてまで外傷があり、一部は壊死してしまっていたため、壊死部分を取り除き健常部分から皮膚を移植する植皮術が行われました。
術後は創部からの浸出液が大量に出ていたため、両下肢とも創部を毎日洗浄し、広くガーゼとその上から吸水性シートを被せて保護し、1日に何度も汚染したガーゼを看護師が交換しました。
そのため、患者の皮膚ケアはとても重要な形成外科病棟で働く看護師の仕事だと感じます。
また、形成外科病棟で看護師として働く場合には、皮膚ケアに関する知識や応用スキルなどが非常に大切です。
患者のメンタルケア

形成外科の治療は、皮膚表面に対する治療が主のため、自身の体への捉え方であるボディイメージに変化を抱く患者が少なくありません。
看護師は、ボディイメージの変容は時間をかけて、患者へゆっくりと促す必要があります。
そのため、形成外科病棟で働く看護師は、そのような問題に対して患者のメンタルケアを行うことも大切な仕事です。
具体的には、傾聴を行いながら患者が傷口を見ることができる状態かアセスメントしていきます。場合によっては患者の心構えを確認するために、傷口を見てみるかどうか直接聞いてみることもあります。
少しずつ患者も心の準備が整った段階で、少しずつ傷口を見てもらい、治癒が進めば徐々に自分で洗浄してもらうなど促していきます。
そして、患者の心構えと傷口の治癒過程の両方を確認しながら、患者が自分の体を受け止められるように関わっていくことが看護師には求められます。
緩和ケアチームと連携する場合もある
勤務する病院の形成外科病棟によりますが、緩和ケアチームと連携することもあります。
具体的には、形成外科には、乳房再建術を受ける乳がん患者等の「がん患者」も多く入院しています。
そのため、形成外科病棟の看護師が緩和ケアチームと連携しながら、患者のメンタルケアを行っていくこともあります。
看護師の体験事例
私が形成外科病棟に勤務していた際に、広範囲に渡る植皮術を受けた患者は、その傷口を見たときに大きなショックを受けていました。
その患者は、日中は笑顔でしたが、消灯後に病室で泣いていることがありました。
看護師として傾聴を行うと、昼間は相手になるなど人が沢山いるため気が紛れるが、夜になると考えこんでしまい悲しさが込み上げくると言っていました。
特に交通外傷や熱傷などで皮膚損傷が広範囲にわたる場合や、手術により壊死組織を取り除くデブリードマンが行われている場合には、患者が初めて傷口を見た時にショックを受けることが多かったです。
そのため、形成外科病棟で働く看護師として、患者の手術後からではなく、手術前からメンタルケアを行なっていくことが重要でした。
患者の疼痛管理とリハビリテーション介助

形成外科病棟に入院する術後患者は、手術の内容にもよりますが、歩行などの運動機能は問題がなく筋骨格系に異常が無い場合でも、術後の痛みが強い場合があります。
さらに、患者が痛みを訴える場合、歩行もままならずリハビリテーションが進まないことがあります。
そのため、形成外科病棟に勤務する看護師は、患者の疼痛管理も重要な仕事の1つです。
具体的には、痛み止めを使用することや疼痛管理を看護師が行います。
患者のリハビリテーション介助
形成外科病棟に入院する患者は、手術後に皮膚の治癒経過を確認しながら、なるべく早い段階からリハビリテーションを実施します。
そのため、患者のリハビリテーション介助も形成外科病棟で働く看護師の仕事です。
看護師は、リハビリテーションをどの程度、どのように行っていくかを医師に確認しながら、必要に応じてリハビリテーション科と共同して行います。
また、患者のリハビリテーションの最終的な到達目標は、退院後の生活に焦点をあてる必要があるため、退院後に困らないように筋力と体力の拡大を図かる支援を行います。
看護師の体験事例
私の経験ですが、ベッド上での安静期間が長い患者の場合、筋力や体力が低下しています。
また、患者が起き上がるだけでも血圧が低下する可能性もあります。
そのような場合、リハビリテーションは、ベッドサイドで立ち上がり動作を繰り返すところから始め、平行棒を使った歩行訓練、片側の手すりを使った歩行訓練、フリーハンドでの歩行訓練と徐々にリハビリテーションの強度を上げていくことを行っていました。
退院前の患者への指導

形成外科病棟に入院している患者に対し、退院後に患者やその家族が必要なケア(皮膚ケア等)を行えるように指導していくことも看護師の仕事です。
具体的には、以下のことを患者へ指導していきます。
- 皮膚・創傷のケアの指導
- 患者の見た目と経過の説明
- 予防処置と方法の説明
- 今後の生活スタイルに関する指導
- 薬の管理や服用の指導
形成外科病棟働く看護師は、「患者が手術を受けて傷の状態が良くなったら終わり」というわけではなく、退院後のことも見据えながら看護を行うことが大切です。
形成外科病棟で働く看護師のメリット・デメリット

形成外科病棟では、皮膚や創傷に関する専門知識を深められる一方で、患者の精神面への支援や習得できる看護技術の偏りなど、実際に働いてみて感じる特徴もあります。
ここでは、私が形成外科病棟で看護師として勤務した経験をもとに、メリット・デメリットの両面から解説します。
形成外科病棟への転職を検討している方は、自分に合った職場かどうか判断する参考にしてください。
皮膚ケア・褥瘡ケアの知識や経験を得られる

仕事内容で前述したように、形成外科病棟で働く看護師は日々患者の皮膚ケアに関わります。
また、疾患によっては褥瘡を抱えた患者も多く入院しているため、皮膚ケアや褥瘡ケアの知識・経験を実践的に身につけられることは大きなメリットです。
具体的には、皮膚の状態観察や創部の治癒過程、薬剤の影響や副作用など、皮膚管理に必要な知識を深く学ぶことができます。
高齢化が進む現在では、褥瘡ケアはどの診療科でも求められる重要なスキルです。そのため、形成外科病棟で得た経験は将来的なキャリアにも活かしやすいと感じました。
患者のメンタルケアは大変

形成外科病棟では、ボディイメージの変容に悩む患者への精神的なサポートも重要な役割です。
しかし、中には身体的な変化を受け入れられず、看護師の関わりそのものを拒否する患者もいます。患者の気持ちに寄り添いながら受容を支援することは、形成外科病棟で働くうえで大変な点の一つでした。
ボディイメージの受容が進まない場合、食欲低下やリハビリへの意欲低下につながり、ADL向上や退院に影響するケースもあります。
さらに、日々の業務は多忙で優先順位を考えながら進める必要があるため、身体的ケアと並行してメンタルケアを継続する難しさを感じました。
創傷管理についての知識が身につく

形成外科病棟では、術後患者の創傷管理に関わる機会が多くあります。
創部の状態や治癒過程に応じて必要な処置が変わるため、創傷管理に関する専門知識を身につけられることは大きなメリットです。
例えば、感染を伴う創部や感染リスクが高い創部では、ゲーベンクリームなどの外用薬が使用されることがあります。
患者ごとに外用薬やドレッシング材の選択が異なるため、創部の状態を観察しながら適切なケアを考える力が養われました。
リハビリテーションの知識が得られる

患者のリハビリテーションには、立位訓練や歩行訓練などさまざまな方法があります。
形成外科病棟で勤務することで、リハビリテーションの内容だけでなく、運動負荷による身体への影響やバイタルサインの変化を予測する力も身につきました。
また、退院後の生活を見据えた看護計画を考える機会も多く、患者一人ひとりに必要な支援を検討する力を養うことができたと感じます。
習得できる医療行為や得られる知識に限りがある

勤務する病院や病棟によっては、吸引などの処置を行う機会が少なく、看護師が経験できる医療行為が限られることがあります。
看護技術の習熟度は勤務環境によって異なりますが、私は他病棟の看護師と比較した際に、経験できる看護技術に偏りが生じやすいと感じました。
幅広い診療科で通用する技術を数多く身につけたい方にとっては、物足りなさを感じる可能性があります。
形成外科病棟は経験が浅くても働きやすい
一方で、習得できる看護技術や医療行為が限定されることは、必ずしもデメリットだけではありません。
私の経験では、形成外科病棟は高度な医療機器の管理や重症患者対応の機会が比較的少なく、経験が浅い看護師でも働きやすい環境でした。
そのため、看護師として復職を考えている方や経験年数が少ない方にとっては、挑戦しやすい診療科の一つといえます。
患者の回復過程に寄り添うことができる

形成外科病棟では、比較的長期間にわたり患者の看護を担当することがあります。
また、皮膚の治癒過程を継続的に観察しながらケアを行うため、患者の変化を近くで見守ることができます。
さらに、リハビリテーションの進行とともに患者のADLが向上していく様子を実感できることも少なくありません。
患者の回復過程に寄り添い、身体面だけでなく精神面の変化も支援できることは、形成外科病棟で働く大きなやりがいだと感じました。
私の経験では、歩行が難しかった患者が自力で病棟内を歩けるようになる姿を見たとき、自分のことのように嬉しく感じたことを今でも覚えています。
患者が辛い時期から回復していく過程を共有できることは、形成外科病棟ならではの魅力だと思います。
形成外科の看護師求人が多い転職サイト

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私からの注意点としては、形成外科病棟は混合病棟であることも病院によっては多いため、その他の診療科が何かも確認してください。
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美容、産婦人科、整形外科、眼科、外科、呼吸器科、循環器科、精神科/心療内科、小児科、皮膚科、形成外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、消化器科、内科、透析、その他 |
| 対応配属先 |
病棟、外来、オペ室、透析、その他 |
| 対応エリア |
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まとめ
私は他の診療科や病棟も経験したことがありますが、形成外科病棟でも患者に寄り添うという看護を感じることができると感じます。
また、皮膚の成り立ちや皮膚の治癒過程について少しでも興味があれば、とても楽しい気持ちで、仕事のやりがいを得られるはずです。
さらに、皮膚の治癒過程において必要な知識を得られるだけでなく、辛い思いも嬉しい思いも共に感じながら、患者とより近い位置で関わっていけるという看護の醍醐味が、形成外科病棟で働く看護師にはあります。
皮膚異常の治療について勉強したい、患者のボディイメージの受容をお手伝いしたいなどの思いがある方は、是非、形成外科病棟での看護業務にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
形成外科病棟では、毎日のように手術が行われるため、比較的どこの職場も忙しいとは思いますが、「やりがい」も「スキルアップ」も両方得られる職場であるため、個人的にはとてもおすすめの転職先です。
このサイトの運営者情報
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株式会社peko |
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https://peko.co.jp/ |
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〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F |
| 代表取締役 |
辻󠄀 昌彦 |
| 設立 |
2015年6月 |
| 資本金 |
14,000,000円 |
| 事業内容 |
- 有料職業紹介事業
- キャリアメディア事業
- インターネット広告事業
- SEOコンサルティング事業等
|
| 許認可 |
有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509 (厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細) |
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特定募集情報等提供事業:51-募-000760 |
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