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訪問看護師に向いている人・向いてない人【体験談】

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訪問看護師に向いている人・向いてない人【体験談】
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近年、「地域で働く訪問看護師を経験したい」と考える看護師が増えてきています。

私は、がん看護専門看護師の資格を取得後、クリニックで働き、その後、訪問看護師として4年以上勤務してきました。訪問看護では、病院や施設での看護とは異なる楽しさやメリットがたくさんあります。一度訪問看護の世界に足を踏み入れてみると、「思っていたよりもなんとかなるし、楽しいんだ」と感じることが多いです。
現在もパート看護師として訪問看護の現場に携わっていますが、その中で、訪問看護師に向いている人と向いていない人の特徴があることに気づきました。

訪問看護師として働く中で、「自分には訪問看護が向いていなかったかも」と後悔しないために、訪問看護師に向いている看護師の特徴と、向いていない看護師の特徴を、私の経験をもとにお伝えします。

執筆・監修看護師
田中 看護師(がん看護専門看護師)
田中 看護師(がん看護専門看護師)
  • エリア:神奈川県在住
  • 保有資格:看護師、がん看護専門看護師、消化器内視鏡技師、心理相談員
  • 施設経験:がん専門病院、総合病院、クリニック、総合病院、訪問診療クリニック
  • 専門分野:消化器内科、透析室、内視鏡室、放射線治療室、泌尿器科

看護師をして20年以上になります。外来・病棟・検査室・クリニックなど、いろいろな場所での業務を経験しました。専門分野は消化器内科、透析室、内視鏡室、放射線治療室、泌尿器科等です。しかし、一時は看護師をやめようと思ったほど、心身共に追い詰められた時期もあります。現在は、看護師も続けつつ、ライターやカウンセラーとしても活動しています。

著作・監修記事一覧

訪問看護師に向いている人は、利用者の生活に目を向け、限られた情報や物品の中でも安全に観察・報告し、家族・医師・ケアマネジャー等と連携できる人です。ただし「車の運転が苦手」「電話での相談が不安」「病棟経験が浅い」という理由だけで訪問看護に向いていないと決まるわけではありません。

向いている傾向 苦手でも準備できること
利用者の生活や価値観を尊重できる 生活背景を聴き、本人の意思に沿ったケア計画に取り組む
自分で観察し報告・相談ができる 同行訪問、緊急時の連絡手順、主治医・管理者への相談を学ぶ
家族や多職種と協力できる 困りごとや連絡事項を整理する練習、情報共有の研修を受ける
移動・記録・時間管理ができる 車・自転車・徒歩の移動手段、移動時間、訪問件数・記録時間を確認
一人で訪問することに不安がある 同行期間、単独訪問開始の判断、携帯・オンラインでの応援体制を確認

この記事にはがん看護専門看護師の資格取得後、訪問看護で4年以上働いた看護師本人の体験談を残しています。「向いていない人」は筆者の経験上の傾向で、本人の能力を断定する心理検査や採用適性の基準ではありません。

一次情報:日本訪問看護財団「訪問看護とは」/東京都訪問看護ステーション協会「訪問看護師を目指す方へ」。

目次

訪問看護師の仕事と「向き・不向き」を判断する前に知りたいこと

訪問看護では、主治医の指示に基づく医療的ケアと、生活支援・家族支援・地域の連携を行います。「医療処置が少ない仕事」「医師の指示を一切受けず独立して診療する仕事」ではありません。

担当する仕事 仕事の例 向いている人の特徴
状態観察・医療的ケア 血圧・呼吸・意識の観察、服薬管理、点滴等の医師の指示に基づく処置 小さな変化に気づき、根拠を整理して報告・相談する
日常生活の支援 清潔・食事・排泄・住環境の調整、生活の工夫 利用者の意向と自宅の条件を踏まえ柔軟に対応する
家族支援・看取り 家族の困りごとの相談、症状緩和、人生の最終段階の支援 本人・家族の希望を聴き、医師・チームと協働できる
多職種連携・記録 訪問後の記録、主治医への報告、ケアマネジャーや薬剤師との情報共有 必要な情報を短く明確に伝えられる
移動・オンコール 訪問先の移動、予定変更、事業所によって夜間・休日の待機 時間管理を工夫し、負担を相談できる

出典:日本訪問看護財団「訪問看護とは」。医師の指示に基づく医療処置や病状観察、在宅での看取り支援、多職種連携などの業務が説明されています。

訪問看護未経験の看護師が「向いていないかも」を減らす方法

同行訪問と一人訪問の開始までの流れを確認する

訪問看護を初めて経験する場合は、看護師が単独訪問に入る前に、先輩の同行訪問、指導、利用者の情報共有、処置・急変時の相談体制があるか確認します。東京都訪問看護ステーション協会は、OJTでの同行訪問を経て単独訪問に移ることや、単独訪問開始後も必要時にメンバーが支援する流れを紹介しています。

出典:東京都訪問看護ステーション協会「訪問看護師を目指す方へ」。全事業所が同じ教育を行うとは限らないため、採用先で期間・実施方法を確認してください。

オンコールが苦手でも夜勤とは別の負担を比較する

緊急対応を行うステーションでは夜間・休日に電話当番(オンコール)や緊急訪問がある場合があります。オンコールの有無、月あたりの当番回数、実際の呼出し、手当、翌日の勤務、複数名での支援体制を確認しましょう。パート勤務・オンコールなしの求人がある場合もありますが、全ての事業所に当てはまるわけではありません。

車の運転が不安なら訪問手段を確認する

自動車・電動自転車・徒歩・公共交通機関など移動方法は地域と事業所によって異なります。自動車免許が必須か、運転研修や車両支援があるかを確認し、免許がない・運転に自信がないというだけで訪問看護のキャリアを諦める必要はありません。

医師の指示と看護師の責任を混同しない

訪問看護は主治医の訪問看護指示書に基づいて実施します。病状の変化を把握し、安全な範囲でケアを行い、必要な判断を医師や管理者へ相談する役割が求められます。医師の診断・治療方針を看護師が独断で代替するものではありません。

過去の看護師体験談には、将来「看護師が死亡確認できるようになる可能性」に触れた記述があります。2026年時点で看護師が一般的に単独で死亡診断書を交付できる制度ではありません。一定の要件を満たす場合に、所定の教育を受けた看護師がICTを使って医師の死亡診断等に必要な情報を報告し、医師が死亡診断を行う仕組みがあります。

出典:厚生労働省「ICTを利用した死亡診断等ガイドライン」(2024年改正)。

訪問看護師に向いている人の特徴

訪問看護師に向いている人の特徴

私の経験をもとに、訪問看護師に向いている人の特徴を説明していきます。

日常生活行動のケアすることが好きな方

訪問看護師は、ほぼ一人で利用者の自宅を訪問し、看護ケアを提供します。

そのため、時には食事をとれていない利用者のために料理を温めたり、汚れたシーツを交換したり、入浴を介助したりと、様々なケアが求められることがあります。

これらのケアは、利用者の日常生活を支えるために非常に重要な訪問看護師の仕事です。

したがって、食事や清潔保持など、日常生活行動のケアを楽しめる方は、訪問看護師に向いていると言えるでしょう。

看護師の体験事例

訪問看護師として働くと、病棟であれば介護士が担当することの多い日常生活行動のケアも、看護師自身が行う必要があります。ただし、訪問看護は患者の自宅や生活の場で行うという点を除けば、病院や施設での看護と本質的には大きく異なるものではありません。
私が勤務していた訪問看護ステーションでは、利用者の自宅を訪問する場合に、生活環境に合わせてケアを調整することが求められました。
例えば、ある利用者は動けない状態が続き、自宅での入浴が困難だったため、訪問時には入浴介助が求められました。

一人の利用者(患者)にじっくり関わりたい方

訪問看護師は、1回の訪問時間の中で利用者本人・家族の希望や状態に向き合えます。ただし、訪問時間のすべてを一対一で使うとは限らず、必要なケア・記録・家族との連携、急変などに応じて業務は変わります。

看護師が1日に対応できる利用者の数は限られていますが、その分、個別に応じた丁寧なケアが可能です。

一人ひとりに深く向き合い、その利用者(患者)に合ったケアを提供したいと考えている方には、訪問看護師は非常に適した職業です。

看護師の体験事例

例えば、病院やクリニックで勤務する看護師は、複数の患者に同時に対応する必要があり、個別の患者とゆっくり向き合う時間を持つのは難しいことが多いです。私も、訪問看護師になる前は病棟に勤務していましたが、常に時間に追われ、患者一人ひとりにじっくり関わることができず、心の中で申し訳なさや仕事に対する不全感を感じていました。
しかし、訪問看護師として働き始めてからは、一人の利用者に対してしっかりと時間をかけてケアできるようになり、看護師としての役割に満足感を感じています。

家族ケアやコミュニケーションが好きな方

在宅にいる利用者に一番長く接し、排泄や体位交換などの日常的なケアを行うのは、主に利用者の家族です。

そのため、訪問看護師として、家族が介護負担を軽減しつつ、できるだけ長く在宅ケアを続けられるようサポートすることが求められます。

したがって、利用者だけでなく、その家族に対しても細やかな気配りやサポート、ができる看護師や、家族とのコミュニケーションが苦にならない看護師は、訪問看護師に向いているでしょう。

看護師の体験事例

利用者の家族は、日々のケアの実施や代理意思決定者としての役割など、さまざまな責任を負っており、その結果、ストレスを抱えることも少なくありません。
そのため、訪問看護師として利用者の家族と適切にコミュニケーションを取り、家族が適切なケアを提供できるようにアドバイスを行うことが重要です。また、家族の精神的な支えとなることで、在宅生活の継続を支援する役割も果たします。
私の経験ですが、利用者の家族は心身ともに疲れている場合が多く、訪問看護師には高いコミュニケーション能力が求められました。

創意工夫が好きな方

訪問看護は、物品や空間が限られた利用者の自宅で行われます。

そのため、訪問看護師は限られた環境や物品、材料を活用して、利用者のケアを行う必要があります。

また、初めて在宅看護を行う家族は、物品が不足していたり、やり方が分からなかったりすることが多いです。病院看護と同じ目的を持ちながらも、物品を工夫して代用したり、ケアを簡略化したりする必要が出てくることもあります。

このように、看護師としての仕事に対して創意工夫が好きな方は、訪問看護師に向いているでしょう。

看護師の体験事例

私が初めて訪問看護師として利用者の自宅を訪問した際、点滴の処置を行いました。しかし、自宅では病院のように必要な道具がすべて揃っているわけではありません。
そのため、どの物品を使って、どのように点滴を固定するかなど、その場での創意工夫が求められました。訪問看護師は、与えられた環境の中で最善のケアを提供するための柔軟な対応力が必要だと感じました。
限られた物品や状況の中で工夫しながらケアを行うことが楽しいと感じる人は、訪問看護師に向いていると感じます。

多職種と関わることが好きな方

在宅医療を受ける利用者には、さまざまな職種の方が関わっており、訪問看護師もその一員です。

例えば、主治医をはじめ、ケアマネージャー、介護士、薬剤師、理学療法士、マッサージ師など、多くの職種が利用者のケアに携わることがあります。

そのため、訪問看護師として、時には利用者のケア方針について他職種と話し合い、協力してケアを進める必要が出てきます。

このように、多職種と関わりながら協力することが好きな方は、訪問看護師に向いているでしょう。

看護師の体験事例

私が訪問看護師として働いていた際、多くの他職種の方々と話し合いを行うことがありました。特に、訪問看護の時間調整について他職種と連携することが重要でした。
他職種と上手にコミュニケーションを取り、協力して利用者のケアを行うことができる看護師は、訪問看護師に非常に向いていると感じます。

移動や車の運転が苦にならない方

訪問件数は勤務先・地域・利用者の状態・訪問時間・移動距離で異なります。1日に3~5件程度のスケジュールもありますが、全国共通の件数ではありません。

その際、電動自転車や車、公共交通機関など、さまざまな移動手段を使うことになります。特に車を使用する場合、慣れない場所や住宅街での運転が必要になることもあります。

そのため、車の運転が苦にならない看護師は、訪問看護師に向いているでしょう。

看護師の体験事例

私は車の免許を持っていますが、慣れない住宅街での運転がストレスに感じ、初めは自転車や徒歩で行ける範囲の訪問しか対応できませんでした。
しかし、徐々に車の運転にも慣れていくことができました。
そのため、訪問看護師を目指すなら、住宅街での車の運転に事前に慣れておくことが重要です。また、車の運転に不安がある場合は、自転車で移動できる勤務先を選ぶことや、ペーパードライバー講習を受けて運転スキルを向上させる方法も有効だと感じます。

訪問看護師に向いていない人の特徴

訪問看護師に向いていない人の特徴

私の経験を含めて、訪問看護師に向いていない人の特徴を説明していきます。

利用者の変化に気づいて報告・相談することが不安な方

訪問看護師は、主治医からの訪問看護指示書に基づいてケアを行います。

しかし、一般的に訪問看護指示書には、病院で医師が出すような細かな指示が書かれているわけではありません。

利用者の病状が変化した際には、訪問看護師が現場で適切にアセスメントを行い、医師に状態を報告して新たな指示を仰ぐ必要があります。

訪問看護では主治医の訪問看護指示書に基づき、看護師が利用者の状態をアセスメントして必要な報告・相談を行います。看護師が医師の指示を離れて診断・治療方針を独断で決めるわけではありません。相談や判断に自信がない場合も、同行研修と管理者・主治医への連絡体制を確認することで準備できます。

看護師の体験事例

訪問看護の現場では、1人でケアを行い、医師からの直接的な指示がない場合も多いですが、実際には訪問看護ステーションのスタッフと報告・連絡・相談を行いながらケアを進めることが一般的です。
病院ではナースステーションに戻って他のスタッフに報告したり、助けを求めたりできますが、訪問看護ではそれが電話連絡になります。つまり、病院のベッドサイドで行っている患者ケアが、訪問看護では自宅のベッドで行われているにすぎない、と感じることもあります。
また、今後は訪問看護師が包括指示を使いこなし、将来的には死亡確認を訪問看護師が行うことができるようになる可能性もあります。医師の指示待ちに頼る看護師は、訪問看護師としては力量不足と見なされることもあるでしょう。

電話対応が苦手な方

訪問看護師には、患者やその家族だけでなく、主治医やケアマネージャーなど多くの関係者から電話での連絡が頻繁にあります。

そのため、電話対応が苦手な看護師は、訪問看護師に向いていない可能性があります。

利用者の自宅に訪問する看護師は基本的に1人のため、電話対応は避けることができない業務です。

看護師の体験事例

私は訪問看護師を始めた際、予想以上に電話対応が多いことに驚きました。
対面でのコミュニケーションに比べ、電話での会話では相手の気持ちを不用意にいらだたせてしまうこともありました。しかしその一方で、声を聞くだけで相手を安心させ、臨時の訪問を回避できたことも何度かありました。
電話対応が苦手で、できるだけ電話を避けたいと感じる看護師は、訪問看護師には向いていない可能性が高いと感じます。

他人の家に入ることが苦手

他人の家に入ることが苦手な看護師は、訪問看護師に向いていない可能性があります。

訪問看護師が訪問する家が常にきれいに掃除されているとは限りません。中には、靴のまま入りたいと感じるほど汚れている部屋に入らなければならないこともあります。

ダニやほこりにアレルギーがある方や、他人の家に上がること自体をストレスに感じる看護師は、訪問看護師としての仕事に向いていないかもしれません。

看護師の体験事例

訪問看護師として、利用者の生活環境が不衛生な場合、専門家として改善の助言をすることもありますが、基本的にはその環境の中で生活されている利用者の価値観を尊重しなければなりません。
しかし、どうしても他人の家に入ることに抵抗がある場合、私は直接触れないように手袋やスリッパ、靴袋(靴にかぶせるビニール袋)を使用したり、マスクを2枚重ねたり、メガネをかけることもあります。また、ヘビースモーカーのお宅では、匂いがユニフォームに付くため、衣類用の消臭スプレーを使って次の訪問に備えることもあります。
すべての環境を完全に快適に感じることは難しいですが、私は「今、この訪問だけ」と割り切って気持ちを仕事モードに切り替えるようにしています。

十分な物品がないと不安な方

訪問看護ステーションでは、衛生材料や医療物品は最小限しか用意されていません。さらに訪問看護師は、訪問先の利用者宅にある物品を工夫してケアを行う必要があります。

また、病院で当たり前に使用していたガーゼや固定用テープ、手袋なども、限られた量で対応しなければならないことがほとんどです。

そのため、病院で使っていたような物品がないと不安で仕方がないと感じる看護師には、訪問看護の仕事は向いていないかもしれません。

看護師の体験事例

訪問看護師として、病院での医療水準をそのまま在宅に持ち込むことは難しく、また、それが必ずしも必要というわけではありません。在宅でのケアの多くは家族が担っているため、看護師が病院と同じ物品や設備を期待すると、違和感を覚えることがあるかもしれません。
私が初めて利用者宅を訪問したとき、病院で使用していたような医療物品が揃っていないことに驚き、最初は戸惑いを感じました。しかし、これは訪問看護師としてのスキルが試される場面でもあり、工夫次第でその不安を克服できると実感しました。

訪問看護が不安な方へ先輩看護師からのアドバイス

訪問看護が不安な方へ先輩看護師からのアドバイス

私の経験をもとに、訪問看護師に向いている人の特徴と、向いていない人の特徴をお伝えしてきました。この内容を読んで、少し訪問看護師として働くことに不安を感じた方もいるかもしれません。

ここからは、初めて訪問看護師として働く際に不安に感じることについて、アドバイスをさせていただきます。

看護経験が浅い不安がある方

看護師としての知識や経験が浅いと、訪問看護で様々な疾患を扱うことに不安を感じるかもしれません。特に、若い看護師の中には高齢者とのコミュニケーションに自信がない方も多いでしょう。

しかし、看護師としてのスキルやコミュニケーション能力が完璧でなければ訪問看護が務まらない、というわけではありません。教育体制が整っている訪問看護ステーションであれば、初めのうちは看護師の先輩と二人で訪問し、直接観察項目や利用者の特徴、家族の背景を学ぶことができます。

最近は、教育体制の整った訪問看護ステーションが増えており、「新人OK」「看護師経験不問」という求人も多く見られます。安心してスタートできる環境が整っているところを探すと良いでしょう。

訪問看護未経験で不安がある方

看護師としての経験があっても、訪問看護は未経験という方は多いです。病院や施設ではベテラン看護師でも、訪問看護は特別な領域と感じ、不安に思うこともあるでしょう。

よく耳にするのが、「訪問看護は1人でケアし、1人で判断しなければならない。」「病院や施設では、診療科や患者の疾患がある程度決まっているが、訪問看護では疾患や病態が多岐にわたるため対応できないのでは」という声です。

確かに訪問看護では、さまざまな疾患や病態に看護師として対応しますが、その多くは病状が安定している利用者です。

急性期患者のように観察項目を暗記する必要はなく、急変の兆候はどの疾患でも「全身状態やバイタルサインの変化」といった共通のものです。

そのため、看護師として特別な知識が求められる場面は少なく、診療科に関わらず、患者の観察力と家族とのコミュニケーション力があれば、訪問看護師として十分対応することができるでしょう。

一人で訪問するのが不安な方

病院や施設で多くのスタッフに囲まれてケアをしていると、訪問看護のようにすぐそばに相談できる相手がいない環境に不安を感じるかもしれません。

特に、自分一人で処置やケアを行い、その結果を誰もすぐに確認しないという状況は、病院では考えにくく、責任が重く感じられることもあります。

確かに訪問看護では、一人で利用者宅を訪問し、対応する場面が多いです。

しかし、訪問看護ステーションには他の訪問看護スタッフや上司が在籍しており、困った時や判断に迷った時には、電話やメールで指示を仰ぐことができ、全てを一人で抱えるわけではありません。

チームとしての情報共有も徹底されており、訪問後の報告やカンファレンスでケアの方向性を確認しています。

最近では、皮膚の変化などを画像で共有し、メールで指示を受けることも増えています。

訪問看護では、報告・連絡・相談を通じてケアを進めるため、訪問した看護師一人の責任に全てがかかるということはほとんどないでしょう。

看護技術が発揮できない不安がある方

先端医療の現場で働いてきた方には、訪問看護は生活援助の要素が強く、これまで培った看護技術や知識を発揮する機会が少ないのでは、と不安に思うこともあるでしょう。

身につけた技術や知識が無駄になり、看護師としてのキャリアが停滞してしまうのでは、と感じるかもしれません。

確かに、訪問看護では先端医療の機器や治療方法を扱うことは少なく、そういった技術や知識を直接活かす機会は少ないでしょう。

しかし、看護師としてのこれまでの経験は、利用者が受ける治療の説明や、苦痛を理解する上で非常に役立ちます。病院での経験を活かして、他の訪問看護師とは異なる視点で在宅ケアを提供できるはずです。

さらに、訪問看護を通して、病院とは異なるケアの技術や家族看護を学ぶことができます。この経験は、将来的に看護師として病院に戻った際にも役立つはずです。

そのため、訪問看護で得た知識と経験は、看護師としてのキャリアをより広げるものとなると、私は考えています。

訪問看護ステーションの見学・転職で確認すること

教育 同行訪問の期間・指導担当、単独訪問への判断、苦手な医療処置の研修
相談 医師・管理者へすぐ相談できる方法、急変時・夜間の応援
働き方 1日の訪問件数・移動時間・記録時間、昼休み、直行直帰
オンコール 当番回数・緊急出動・手当、翌日の勤務・休み
利用者層 小児・高齢者・終末期・精神科など、必要なケアと研修
移動 車・自転車・徒歩・交通機関、免許要件・車両の支援
人員・条件 看護師の在籍・常勤人数、給与・休暇・安全管理・賠償保険

見学や同行体験ができる事業所もあります。日本訪問看護財団は所属ステーションでの同行訪問等の実地体験を案内しています。日本訪問看護財団「実地体験・研修」。

訪問看護師求人が多いおすすめの転職サイト

訪問看護師求人が多いおすすめの転職サイト

訪問看護師の求人を探す場合には、看護師転職サイト(看護師専用の転職エージェント)を活用することをお勧めします。

看護師転職サイトを活用する理由としては、以下の通りです。

  • 内部情報を知ることが出来るため
  • 訪問看護ステーションの見学が容易であるため
  • 希望条件に合う求人をピックアップしてくれるため

初めて訪問看護に挑戦する場合は、事業所の規模よりも、同行訪問の期間、単独訪問の判断基準、緊急時の電話相談・応援、オンコール教育が実際に整っているかを優先して確認しましょう。大手・病院併設というだけでは教育の充実を保証できません。

以下は看護師向け求人紹介サービスの例です。訪問看護の求人が常にあるとは限らず、2社への登録は必須ではありません。訪問看護ステーションの公式採用・eナースセンターと比較して、研修・担当件数・オンコールを確認してください。

訪問看護の同行研修・相談体制を確認!レバウェル看護

レバウェル看護

転職相談 面接対策 条件交渉 退職相談
2重丸 2重丸 2重丸 2重丸
サイト名 レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
運営会社 レバレジーズメディカルケア株式会社
公開求人数 141,109件(2026年11月2日時点)
非公開求人 豊富
対応職種 正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 雇用形態 常勤(夜勤有り)、日勤常勤、夜勤専従常勤
対応施設 総合病院、一般病院、クリニック、特別養護老人ホーム(特養)、訪問看護、有料老人ホーム、デイサービス、重症心身障害者施設、保育園、検診センター
対応 診療科目 内科、精神科、心療内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、産婦人科、眼科、歯科、美容外科、美容皮膚科
対応配属先 病棟、外来、施設、訪問、手術室(オペ室)、透析、内視鏡
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴 ・看護師の転職求人が豊富
・転職支援サービスが手厚い
・転職の相談から行える
・院内・施設内情報に強い

レバウェル看護は看護師向けの求人紹介・転職相談サービスです。訪問看護を初めて経験する方は、同行訪問の期間、単独訪問時の相談体制、医療処置や急変への支援、オンコール回数、訪問件数・移動手段を確認しましょう。研修内容や希望する働き方が保証されるわけではなく、ステーションの公式募集とも比較してください。

公式サイト:https://kango-oshigoto.jp/

訪問看護のオンコール・勤務条件を相談!ナースではたらこ

ナースではたらこ

転職相談 面接対策 条件交渉 退職相談
2重丸 2重丸 2重丸 2重丸
サイト名 ナースではたらこ
運営会社 ディップ株式会社
公開求人数 11,052件(2026年11月2日時点)
非公開求人 豊富
対応職種 正看護師、准看護師、助産師、保健師
対応 勤務形態 常勤、非常勤、日勤のみ、夜勤専従
対応施設 病院、クリニック、介護施設、デイサービス、訪問看護、企業その他
対応エリア 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
特徴 ・非公開求人が豊富
・希望条件に合う求人が見つかりやすい
・希望する病院・施設へ転職可能な逆指名転職がある

ナースではたらこは看護師向けの転職支援サービスです。ステーションを検討するときは、同行研修、看護師の常勤人数、オンコール当番と実際の緊急訪問、管理者・主治医への連絡、移動方法、給与と手当を確認しましょう。訪問看護求人が常時あるとは限らず、複数のサービスへの登録も必須ではありません。

公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/

訪問看護師の向き・不向きでよくある質問

訪問看護に向いている人の特徴は?

利用者の生活に関心を持ち、観察や相談、多職種連携を丁寧にできる人に向く傾向があります。一方、運転・電話・単独訪問の不安は教育や勤務先の体制によって補える場合があります。

訪問看護師は一人で訪問しなければなりませんか?

単独訪問が中心のステーションもありますが、未経験者には同行訪問・OJTを行う事業所もあります。単独訪問開始の条件と緊急時の支援を確認しましょう。

病棟経験が浅い看護師は向いていませんか?

経験年数だけで決まりません。採用条件・同行研修・主治医や先輩への相談体制・担当利用者に必要な技術を照合しましょう。

訪問看護師は車の免許が必要ですか?

地域や事業所によります。自動車必須の募集もあれば、自転車・徒歩等で訪問できる募集もあります。

訪問看護師は夜勤がないので楽ですか?

病棟の夜勤がなくてもオンコール・緊急訪問・移動・訪問記録などの負担があります。勤務条件と当番の実績を確認してください。

関連する働き方:精神科訪問看護の看護師の仕事内容/訪問入浴で働く看護師の仕事内容。

まとめ

訪問看護は、病院や施設での看護とは異なり、多くのスキルや知識が求められる分野です。

訪問看護師に向いている人は、日常生活のケアを楽しめる方、一人の利用者にじっくり向き合いたい方、家族ケアや多職種との連携が得意な方、そして、創意工夫や柔軟な対応力を楽しめる方です。また、移動や車の運転が苦にならないことも重要なポイントです。

一方、訪問看護に向いていない方は、医師の指示がなければ動けない方や、電話対応が苦手な方、他人の家に入ることに抵抗がある方、また、物品が十分にない環境に不安を感じる方です。

訪問看護師として働く上で不安があるかもしれませんが、教育体制が整ったステーションや相談しやすい環境を選べば、これまでの経験を活かしながらキャリアを積んでいけるでしょう。

焦らずゆっくりと業務に慣れ、利用者やその家族との関係性が深まっていくことが、訪問看護の醍醐味です。

「私には向いていないかも」と諦めずに、ぜひ挑戦を続けてください!

このサイトの運営者情報

運営会社 株式会社peko
会社ホームページ https://peko.co.jp/
所在地 〒107-0052 東京都港区赤坂3丁目1-16 BIビル6F
代表取締役 辻󠄀 昌彦
設立 2015年6月
資本金 14,000,000円
事業内容
  • 有料職業紹介事業
  • キャリアメディア事業
  • インターネット広告事業
  • SEOコンサルティング事業等
許認可 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-314509
(厚生労働省職業安定局: 職業紹介事業詳細)
届出 特定募集情報等提供事業:51-募-000760
連絡先 03-5324-3939 (受付時間:休日、祝日を除く10:00~17:00)
お問い合わせ お問い合わせフォーム
監修者情報 著者・監修者情報
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参考文献等

監修者
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花
キャリアコンサルタント(国家資格)真下彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、キャリアアドバイザーとして看護師の転職支援を始め、多くの転職者のサポートを担当中。

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